フレッチャー(John Gould Fletcher、詩人、批評家)(読み)ふれっちゃー(英語表記)John Gould Fletcher

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フレッチャー(John Gould Fletcher、詩人、批評家)
ふれっちゃー
John Gould Fletcher
(1886―1950)

アメリカの詩人、批評家。アーカンソー州に生まれる。1908年ヨーロッパに渡り、1933年までロンドンに滞在。エズラ・パウンドらとともに詩における音楽的効果を強調するイマジズム運動をおこし、音楽、とくに絵画技巧と禅や俳句など東洋の象徴性を詩に導入した。その後、神秘的傾向の詩『寓話(ぐうわ)』(1916)、『黒い岩』(1928)を発表。一時、南部の文学者たちの農本主義運動に加わり、機械文明を批判したが、1947年に運動から脱退。1938年出版の『詩選集』によってピュリッツァー賞を受けた。ある批評家はフレッチャーのことを評して「現代アメリカ詩のなかの偉大な夢想家」といったが、彼の詩人としての生涯を適切に指摘した表現である。

秋山 健]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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