フーゼル油(読み)フーゼルゆ(英語表記)fusel oil

精選版 日本国語大辞典 「フーゼル油」の意味・読み・例文・類語

フーゼル‐ゆ【フーゼル油】

〘名〙 (フーゼルはfusel) アルコール発酵するとき副生する物質高級アルコール類を主成分とする混合物毒性があり、分留して溶剤香料原料に用いる。
時事新報‐明治二〇年(1887)一一月八日「日本酒は多くフーゼル油を含有し」

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デジタル大辞泉 「フーゼル油」の意味・読み・例文・類語

フーゼル‐ゆ【フーゼル油】

fusel oilアルコール発酵のときに副産物として生じる、黄褐色の特異臭のある油状液体高級アルコール類を主成分とする。溶剤・香料などに利用

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百科事典マイペディア 「フーゼル油」の意味・わかりやすい解説

フーゼル油【フーゼルゆ】

アルコール発酵の際副生する各種高級アルコールの混合物。酒の香気成分として重要。黄〜褐色の油状液体で,イソアミルアルコール,活性アミルアルコールイソブチルアルコールなどが主成分。酢酸エステルとして溶剤とし,また,分留して各成分を香料溶剤に用いる。
→関連項目アミルアルコール

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フーゼル油」の意味・わかりやすい解説

フーゼル油
ふーぜるゆ
fusel oil

デンプンや糖類の発酵でエタノールエチルアルコール)をつくる際、精製時の副産物として分離される黄色ないし褐色の液体(比重0.81~0.83)。用いる原料によって組成も変わるが、主成分はイソアミルアルコール、活性アミルアルコールで、そのほかイソブチルアルコール、n‐プロピルアルコール、その他の高級アルコールが含まれる。化学処理や蒸留などによって精製したものは、ほぼ前記2種のアミルアルコールの混合物であり、そのままか、あるいは酢酸エステル(通称は酢酸フーゼル)にして、アルキド樹脂ニトロセルロースなど合成樹脂類の溶剤に用いられる。

[松田治和]

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世界大百科事典 第2版 「フーゼル油」の意味・わかりやすい解説

フーゼルゆ【フーゼル油 fusel oil】

アルコール発酵の際,酵母によりエチルアルコールに随伴して微量に生成される炭素数3~5のアルコール類およびそのエステルを主成分とする混合物の総称。炭素数2のエチルアルコールより水に溶けにくく,多量に水に加えると水面に油のように浮くのでフーゼル油と呼ばれる。 清酒やビールのもろみのように,酵母の増殖のための必要量以上のアミノ酸があると,酵母はこれを菌体内に取り込みその一部をアルコールに変える。例えば,炭素数6のアミノ酸であるロイシンから炭素数5のイソアミルアルコールが生成し,同様炭素数5のバリンから炭素数4のイソブチルアルコールが生成する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フーゼル油」の意味・わかりやすい解説

フーゼル油
フーゼルゆ
fusel oil

アルコール発酵の際,副産物として生成するアミルアルコールを主成分とする黄色ないし褐色油状の物質。成分は発酵原料や酵母の種類,発酵方法,蒸留方法などによって異なるが,イソアミルアルコール,活性アミルアルコール,イソブチルアルコールなどを主成分とし,少量のエチルアルコール,フルフラール,ピリジン,テルペンなどを含む。概して癖のある臭気をもつもので,フーゼル油含量の多い製品は飲料に適さず,悪酔いの原因にもなる。発酵原料物質中のアミノ酸などから生じてくる。また酢酸エステルとして塗料の溶剤に利用される。

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栄養・生化学辞典 「フーゼル油」の解説

フーゼル油

 アルコール発酵で生成するエタノール以外の高級アルコールの混合物.

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