日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラシ」の意味・わかりやすい解説
ブラシ
ぶらし
木材、合成樹脂、金属などでできた台の上に、小さな束にした毛を一定の間隔で植え込んだもの。普通「刷毛(はけ)」とは区別しており、また「たわし」もブラシの一種である。ブラッシュbrushがなまったもので、ほこりや汚れを落としたり、ものを塗ったりするときなどに使う。ブラシの種類は多く約3000種に上るが、用途により家庭用、身辺化粧用、工業用などに分類される。家庭用には瓶洗い、皿洗いなどの台所用、トイレや浴室の清掃用、洗濯用、掃除用、自動車用、イヌ用などが、身辺化粧用には爪(つめ)、マスカラ、眉毛(まゆげ)、フェイスブラシ、歯ブラシ、ヘアブラシ、洗顔、ボディ用のほか、洋服や靴用ブラシなどがある。工業用は分野が広く、工場作業者や職人が使うもの、また工場の機械装置に設置されるものなど多方面にわたる。材質としては、植物性(パーム、シュロ、カルカヤの根など)、動物性(ウマ、ブタ、ウシ、ヤギ、タヌキの毛など)、金属性(鋼線、ステンレス、ピアノ線、真鍮(しんちゅう)など)、合成繊維(ナイロン、塩化ビニル、ポリプロピレンなど)がある。
なお、家庭用でもっとも多く使われる洋服ブラシにはブタの剛毛が多く用いられ、歯ブラシにはナイロン、高級ヘアブラシにはイノシシの毛が用いられている。
[阿部絢子]