ハンガリー平原(オルフェルド)の東部にかつて広がっていた温帯性の長茎草原のこと。地域名称も兼ねる。ハンガリー平原には氷河時代に堆積(たいせき)した厚いレス(黄土)が分布しており、それは年間600ミリメートル程度の少ない降水量と相まって、そこに草原をつくりだした。また腐植層の厚い肥沃(ひよく)な土壌を生じさせた。しかし降水量に年ごとの増減が大きく、しばしば干魃(かんばつ)にみまわれたため、開発は遅れ、多くの部分が草原のまま長く放置されてきた。プスタというのはこうした草原につけられた名称で、もともとはハンガリー語で荒れ地を意味していた。しかし19世紀後半、この地方がトルコの支配を脱してから急速に耕地化が進み、現在ではほとんどが耕地である。小麦、トウモロコシ、根菜類、タバコ、ヒマワリなどが栽培されるほか、ウシやウマも多数飼育され、東ヨーロッパの穀倉地帯となっている。
[小泉武栄]
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【自然】
カルパチ(カルパティア)山脈に囲まれ,ドナウ川本流とその支流ティサ川の流域に広がるハンガリー盆地にあり,国土の大部分は平野であるが,ドナウ川を境に多少の変化がある。ドナウ川の東はアルフェルドAlföldと呼ばれる大平原で,その大部分は19世紀後半までは湿地帯だったが,治水が進むと逆に水の乏しい砂質の草地(プスタ)となり,第2次大戦後は大規模に灌漑され耕地化されている。ドナウ川以西は,北部の小アルフェルドを除けば,緩やかな起伏の台地であり,その間に東西に長く,中欧最大の湖バラトン湖がある。…
※「プスタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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常に身に迫る一触即発の危険な状態をいう。シラクサの僭主ディオニュシオス1世の廷臣ダモクレスが王者の幸福をたたえたので,王がある宴席でダモクレスを王座につかせ,その頭上に毛髪1本で抜き身の剣をつるし,王...
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