ヘイケボタル
へいけぼたる / 平家蛍
[学] Luciola lateralis
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ヘイケボタル
Luciola lateralis
鞘翅目ホタル科。体長7~10mm。体は黒色で,同色の短毛におおわれる。頭部は背面から見ると大部分が前胸前縁の下に隠れる。複眼は大きく,触角は糸状。前胸背は淡赤色で密に点刻され,中央部に幅広い黒条がある。上翅にはそれぞれ4条の縦隆起がある。腹部末端2節は黄白色の発光器になっている。幼虫は水田や沼などにすみ,カワニナなどの淡水生の巻貝類を食べる。北海道,本州,四国,九州,千島列島,朝鮮,中国北部に分布する。ゲンジボタルに似ているが,それより小型で,前胸背中央の黒条が太いので容易に区別される。
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「ヘイケボタル」の意味・わかりやすい解説
ヘイケボタル
ホタル科の甲虫の1種。日本全土,千島,朝鮮,中国東北,シベリア東部に分布。体長9mm内外。黒色,前胸背は桃赤色,中央に黒条がある。腹端の2節(雄),または1節(雌)が発光する。幼虫は水田や沼などにすみ,成虫は7〜8月に発生。発光はゲンジボタルより弱く,明滅する間隔も長い。
→関連項目ホタル(蛍)
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ヘイケボタル【Luciola luteralis】
甲虫目ホタル科に属し,ゲンジボタルとともに日本の代表的なホタル(イラスト)。ゲンジ(源氏)に対し,小型で弱々しいところからヘイケ(平家)と名づけられた。形態的には大きさ(本種の体長8~10mm)のほか,胸部背面の縦紋が中央で横に広がらない,上翅の点刻がよりまばらで,縦の隆条が弱いなどで区別できる。日本全国,サハリン,朝鮮半島,中国などに分布する。成虫は6~8月に発生するが,例外的に9~10月に発生することがある。
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