ヘロン[アレクサンドリア](英語表記)Hērōn of Alexandria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘロン[アレクサンドリア]
Hērōn of Alexandria

前 100年頃在世したギリシアの数学者,発明家。幾何学測量法,機械学,気体装置などに関する著書が現存する。幾何学で最もよく知られた業績は,三角形の3辺の長さをそれぞれ abc として 2sabc とおけば,その面積 S で与えられるというヘロンの公式の導出であろう。技術の分野では,天体観測器械ディオプトラの測量器具への改良,コインで動く自動機械,水オルガン歯車を利用した重量物取扱い機,サイホンなどのほか,おもちゃ用でしかなかったが,ヘロンの蒸気タービンなどがある。彼の発明には娯楽用のものが多かったが,実生活に役立ったものも多い。ユークリッド原本』の注釈を書いており,ラテン語アラビア語に翻訳されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

激甚災害

地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...

激甚災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android