世界大百科事典 第2版 の解説
ヘロン[アレクサンドリアの]【Hērōn】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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…英語ではエナージーenergyという。
【エネルギー概念の発展】
[仕事と力学的エネルギー]
エネルギーの概念が確立したのは19世紀後半であるが,これと深いかかわりをもつ仕事の概念の歴史はずっと古く,すでに紀元1世紀ごろ,アレクサンドリアのヘロンは,てこや滑車などの機械による仕事について,力に関する利得が速さまたは移動距離に関する損失で帳消しにされるということを述べている。これは現在仕事の原理と呼ばれるもので,詳しくいうと次のようになる。…
…生産工程の一部または全部が,人間の手を離れて機械だけで行われることであり,autom(atic)+ationという造語法で(あるいは,autom(atic)(oper)ationという短縮法によって),1940年代のアメリカで成立したことばだとされている。アレクサンドリアのヘロン(1世紀)の作った自動人形はオートマトンと呼ばれたが,このオートマトンということばは,機械を用いた生産が人間の社会に及ぼす影響を重大な問題として考察した19世紀の思想家たちによって,機械による生産が行きつく果てをイメージさせることばとして愛好された。つまり彼らは生産機械がオートマトン(自動人形)のように,すべての加工動作を人間の手を借りないで自分でやってしまう未来を予感したのである。…
…この上昇するガスで羽根車を回す装置がガスタービンの先祖である。アレクサンドリアのヘロンもこのような装置を考案していたといわれている。日本に古くからある回り灯籠も同じ原理である。…
… 人間とそっくりのもの,生きてひとりで動くものをつくること――それは人間が太古の昔から追ってきた大きな夢であった。自動人形の起源といえば,遠く古代エジプトやギリシア,ユダヤの時代の神話伝承の世界にさかのぼるが,自動人形の夢が現実の技術と結合した最古の作品といえば,紀元前後のギリシア人ヘロンにはじまる。彼は人間の手をいっさいつかわず,すべてを機械仕掛けで演ずる自動人形劇を考案し,また祭壇の点火によって神殿の扉が自動的に開閉する仕掛けなどをくふうし,設計図を書きのこしている。…
…メカネがラテン語に入ってマキナmachinaになり,それがヨーロッパの各近代語に変わったのである。ギリシアでメカネと呼ばれたものは,アレクサンドリアのヘロンによれば,てこ,ろくろ,くさび,ねじ,滑車である。ヘロンはこれらを〈一定の力によって一定の重量物を動かすことのできるメカネ〉と呼んだ。…
…このほか通貨で操作される機械として公衆電話機やジュークボックス,ゲームマシンなどの娯楽機もあるが,これらはその用途からみて,通常は自動販売機の範疇(はんちゆう)には含めない。
[歴史]
自動販売機の起源は古く,1世紀に活躍したアレクサンドリアのヘロンは《気体学》の中で,硬貨を入れるとその重みで栓が開き,数滴の水が出るという聖水自動販売機を紹介しており,エジプトの神殿に設置されたともいわれている。このアイデアはその後17世紀に入ってイギリスで復活し,さらに広く欧米に伝播(でんぱ)して,タバコ,切手,書籍,菓子などの自動販売機の考案に生かされた。…
…そして羽根を出るまでに蒸気の流れの方向を変え,その際羽根が蒸気から受ける反力を利用して羽根を回転させることによって仕事を行うものである。
[歴史]
蒸気を用いて回転運動を行わせる装置の着想は1世紀ころにさかのぼり,アレキサンドリアのヘロンは,ボイラーから発生する蒸気が,支柱管を通って球状の回転体に入り,これに取り付けられた2本の曲管から互いに反対方向に高速噴流となって吹き出し,球体がその反動で蒸気の噴出方向と逆向きに回転する装置を考案しているが,これは後で説明する反動タービンの原型といえるものである。長い空白ののち,1629年ごろに至って,イタリアの建築家G.ブランカによって,後述の衝動タービンの原型というべき考案が記録されている。…
…乾燥した大気の中の水が与える涼感,動きと音,光のきらめきの多彩な効果によって,噴水は古代から人々の愛好するところとなり,そのための水力学上の技術が開発された。前1世紀ころに活躍したアレクサンドリアのヘロンは,サイフォンの原理を応用した〈ヘロンの噴泉〉の考案者として知られている。古代ローマにおいては,水道の建設技術の展開と庭園の愛好があいまって,宮殿や住宅,ウィラの庭を噴泉が彩るのが見られ,ポンペイの廃墟などに,その遺構を見ることができる。…
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