ベクレル(英語表記)becquerel

翻訳|becquerel

デジタル大辞泉 「ベクレル」の意味・読み・例文・類語

ベクレル(becquerel)

放射性物質放射線を出す能力を表す単位。国際単位系(SI)の放射能の単位で、1個の放射性核種が1秒間に1回崩壊して放射線を放出する場合、1ベクレルとなる。その量は放射線のエネルギーや人体への危険度とは異なる。名称は放射能の発見者であるフランス物理学者アンリ=ベクレルに由来する。記号Bq。
[補説]放射線被曝ひばくの人体への影響を表す単位シーベルトに換算するには、放射性核種の種類、または経口や吸入などの摂取の違いに対応する実効線量係数を、ベクレルの値に乗じて求める。一般に、放射性物質が混入した食品や土壌の放射能の強さは、単位重量当たりの値で表され、具体的には、放射性セシウムによる放射能の基準値は、一般食品1キログラム当たり100ベクレルなどと定められている。

ベクレル(Antoine Henri Becquerel)

[1852~1908]フランスの物理学者。ウランの自然放射能を発見し、キュリー夫妻ラジウム発見の手がかりをつくった。1903年ノーベル物理学賞受賞

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精選版 日本国語大辞典 「ベクレル」の意味・読み・例文・類語

ベクレル

  1. [ 1 ] ( Antoine Henri Becquerel アントワーヌ=アンリ━ ) フランスの物理学者。ウラン鉱石から放射線の出ることを発見し、放射能の研究における先駆者となった。一九〇三年、キュリー夫妻とともにノーベル物理学賞を受賞。(一八五二‐一九〇八
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [英語] becquerel [ 一 ]にちなむ ) 放射性物質の量の単位。原子核が一秒間に一つ崩壊して放射線を出すのに要する放射性物質の量を一ベクレルとする。一キュリーは 3.7×1010 ベクレル。記号 Bq

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改訂新版 世界大百科事典 「ベクレル」の意味・わかりやすい解説

ベクレル
Antoine Henri Becquerel
生没年:1852-1908

フランスの物理学者。パリの生れ。祖父アントアーヌ,父アレクサンドルも物理学者で,パリの自然史博物館の教授を務めた。1872年エコール・ポリテクニクに入り,その後土木工学校で工学を学ぶ。78年自然史博物館に職を得て研究を開始,初期には,磁場中での光の偏光面の回転,赤外線スペクトル,結晶による光の吸収など,主として光学の研究に携わった。父の死後,92年同博物館物理学教授職を継ぎ,95年にはエコール・ポリテクニクの教授となった。96年初頭X線発見の知らせを受けると,X線管中で陰極線のあたる蛍光壁からX線が発生することに注目し,ある種の蛍光物質からは同様な放射線が放出されているのではないかと考えた。そしてリン光を発するウラン塩を使用した実験から,ウラン元素そのものに由来すると考えられる新種の放射線(ベクレル線と命名された)を発見(1896),自然放射能の存在を明らかにした。続いて,この放射線の電離作用や,電場・磁場中での屈曲実験などを行い,その性質がX線と異なることも確かめた。1903年自然放射能の発見に対してノーベル物理学賞が授与された。
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ベクレル
becquerel

放射能の単位で,記号Bq。原子核の崩壊(または自然核分裂)の割合が毎秒1であるときの放射能が1Bqである。放射能とは,原子核がβ線とかα線などを放出して崩壊したり,自然核分裂を起こしたりすることの時間的な割合である。放射能の単位として,以前からキュリー(記号Ci)が用いられているが,1975年の国際度量衡総会で放射能の単位としてベクレルが制定された。1Ciは3.7×1010Bqに等しい。放射能の発見者A.H.ベクレルにちなんで名づけられた。
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百科事典マイペディア 「ベクレル」の意味・わかりやすい解説

ベクレル

放射能の単位。記号Bq。原子核の崩壊(または自然核分裂)の割合が毎秒1であるときの放射能が1Bqである。放射能とは,原子核がβ線とかα線などを放出して崩壊したり,自然核分裂を起こしたりすることの時間的な割合である。放射能の単位として,以前からキュリー(記号Ci)が用いられているが,1975年の国際度量衡総会で放射能の単位としてベクレルが制定された。1Ciは3.7×1010Bqに等しい。フランスの物理学者でノーベル賞受賞の放射能の発見者A.H.ベクレルにちなんで名づけられた。放射線の吸収線量の強さを表すグレイやグレイに放射線の種類の違いによる人体などへの影響を加味して係数を掛け合わせた単位であるシーベルト(単位記号[Sv])とは,定義・性質の異なる単位である。
→関連項目キュリー(単位)指定廃棄物放射能

ベクレル

フランスの物理学者。エコール・ポリテクニクと土木学校で学び,1885年一級土木技師,1895年エコール・ポリテクニク教授。磁気による偏光面の回転,リン光,赤外線スペクトル等を研究,1896年ウラン鉱石から出る新しい放射線を発見,放射能研究の端緒を開いた。1903年キュリー夫妻とともにノーベル物理学賞。祖父アントアーヌ・セザール〔1788-1878〕,父アレクサンドル・エドモン〔1820-1891〕も著名な物理学者。→ベクレル(単位)
→関連項目キュリーキュリー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベクレル」の意味・わかりやすい解説

ベクレル
Becquerel, (Antoine-)Henri

[生]1852.12.15. パリ
[没]1908.8.25. ロアールアトランティック,クロアシック
フランスの物理学者。祖父も父も物理学者。パリのエコール・ポリテクニクを卒業後,土木学校で学び,土木技師となった (1877) 。 1892年祖父および父がその地位にあった国立自然史博物館教授となった。エコール・ポリテクニク物理学教授 (95) 。 95年 W.レントゲンによるX線の発見に衝撃を受けて,96年ケイ光X線の関係を追究中にウラン鉱からの放射線を検出,初めて原子核の崩壊現象の扉を開いた。 1900年この放射線が電界および磁界で曲ること,しかもその一部は陰電子であることを確認。 03年キュリー夫妻とともにノーベル物理学賞を受賞した。

ベクレル
becquerel

放射能国際単位系 SI組立単位(→SI組立単位)。記号は Bq。1Bqは 1秒間に 1個の壊変(→自然崩壊)を起こす放射線源の放射能。壊変毎秒を表す単位 dpsおよびキュリー(Ci)に代わって用いられる。1Bq=1s-1=1dps。単位名は アンリ・ベクレルの名にちなむ。

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化学辞典 第2版 「ベクレル」の解説

ベクレル
ベクレル
Becquerel, Antoine Henri

フランスの物理学者.祖父も父もともにパリの自然史博物館物理学教授で科学アカデミー会員.エコール・ポリテクニークと土木学校を卒業.のちにエコール・ポリテクニークと自然史博物館,国立工芸学校の物理学教授を兼任.1889年には科学アカデミー会員となる.初期には赤外線や蛍光現象,偏光,結晶と光など光学の研究をしていた.1895年末のW.C. Röntgen(レントゲン)によるX線の発見に触発されて,蛍光現象とX線の関係を調べるなかで蛍光物質であるウラン塩を研究し,ウラン塩から生じる放射線を発見し,それがウランという元素の性質であることを明らかにした.こうした功績により,1903年M. and P. Curie(キュリー)夫妻とともにノーベル物理学賞を受賞.息子のJean(1878~1953年)も物理学者になった.


ベクレル
ベクレル
becquerel

放射能または放射性物質量の国際単位系(SI単位)の基本単位.記号 Bq.定義は

1 Bq = 1 s-1
従来から用いられているキュリー(Ci)単位との関係は

1 Ci = 3.7 × 1010 Bq.
単位の名称は放射能の発見者であるフランスの物理学者A.H. Becquerel(ベクレル)にちなんでつけられた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

単位名がわかる辞典 「ベクレル」の解説

ベクレル【becquerel】

放射能の国際単位。記号は「Bq」。1Bqは放射性物質の崩壊数が1秒間に1つであるときの放射能の量。放射能の生体への影響の程度や危険度は表さない。ラジウム1gの放射能は約3.7×1010Bqである。◇名称は、フランスの物理学者ベクレルにちなむ。

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知恵蔵 「ベクレル」の解説

ベクレル

SIの放射能の単位。固有の名称を持つ組立単位で、フランスの物理学者名にちなむ。放射能は物質が自発的に放出する放射線の単位時間当たりの数で表され、ベクレルは毎秒の数。ベクレル単位で表される量は、核種の壊変の活性度であり、放射線のエネルギーや危険度とは比例しない。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

栄養・生化学辞典 「ベクレル」の解説

ベクレル

 放射性物質の量の単位.SI単位の一つ.1秒に1個の放射性核種が壊変する量を1Bqとする.3.7×1010Bqが1キュリー(Ci).

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のベクレルの言及

【X線】より

… 一方,X線の発見およびその研究は物理学の進歩に大きな波及効果を及ぼした。例えば,X線の発見に刺激を受けたA.H.ベクレルは,蛍光物質の中にはX線を放射するものがあるのではないかと考え,種々の物質を用いての実験を行ったが,1896年ウラン塩からX線とは異なる放射線が出ていることを発見しているし,また1922年,A.H.コンプトンによる散乱X線のコンプトン効果の発見は,電磁波(光)の粒子性の直接の証拠となったものとして有名である。
[基本的性質]
 X線の最大の特徴は,物質を透過する力(透過能という)が大きく,物質に吸収されにくいことである。…

【放射線】より

…これらの放射線は親核の寿命のためにしだいに減衰していくのが特徴であるが,これに対し,原子炉での核分裂や,加速器ビームによる核反応の際には,反応と同時に多くの中性子線やγ線が発生する。 放射線は,1896年,フランスのA.H.ベクレルが,ウランから放出されるのを発見したのが最初で,これに引き続いてM.キュリーらによってラジウム,ポロニウムからも同様の放射線が出ていることが明らかにされ,99年にはE.ラザフォードが透過力の小さい放射線にα線,大きいほうにβ線の名を与えた。さらに,1900年,フランスのP.ビラールは,磁場によって曲げられず,非常に透過力の強い第3の放射線が存在することを発見し,この放射線はγ線と呼ばれた。…

【キュリー】より

…この発見は,1900年にパリで開かれた国際物理学会議でも報告され世界的に認められた。03年には,A.H.ベクレルとともに夫妻でノーベル物理学賞を受賞。放射線の本性や放射線のエネルギー源についての重大な未解決問題は,その後E.ラザフォードを中心に行われる原子の構造解明の研究へと発展する。…

【キュリー】より

…名は,ラジウムの発見者キュリー夫妻にちなんだものであり,1gのラジウムの放射能はほぼ1Ciである。国際単位系(SI)では1975年にベクレル(Bq)を放射能の単位として採用,キュリーのかわりに用いられることが多い。1Ci=3.7×1010Bqである。…

※「ベクレル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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