ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベニゼロス」の意味・わかりやすい解説
ベニゼロス
Venizélos, Eleuthérios
[没]1936.3.18. パリ
ギリシアの政治家。弁護士からクレタ島の政界に入り,ときに政府を主宰し,ときに野党,自由党の指導者として活躍した。 1909年ギリシアに革命が起きるとアテネに招かれ,王と軍人たちを説得して憲法を改定し,10年首相に就任。2回のバルカン戦争と第1次世界大戦を通じて領土拡張政策を推進したが第1次世界大戦中の 15年,国王コンスタンティノス1世の親ドイツ政策に反対し辞職。 16年テッサロニキに臨時政府を樹立,17年イギリス,フランスの支援を得て国王を退位させ新王アレクサンドロス1世のもとに内閣を組織し,首相に就任するとともに連合国側に参戦。パリ平和会議で活躍し,ギリシアの領土,利権を伸張した。 19年大ギリシア主義を掲げてトルコに侵入したが,M.ケマル・アタチュルクのトルコ軍に敗れ,20年には前国王が復位したため首相を辞任。 24年短期間首相に就任したが,急進派によって追放された。 28年共和政のもとで再び首相に就任したが,世界恐慌後のギリシア経済の混乱に対処できず,33年の総選挙に敗れて辞任。 35年王制の復活に反対し,反乱を企てて失敗,死刑を宣告されて亡命したが,まもなく大赦を受けた。
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