ペステリ(読み)ぺすてり(英語表記)Павел Иванович Пестель/Pavel Ivanovich Pestel'

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペステリ」の意味・わかりやすい解説

ペステリ
ぺすてり
Павел Иванович Пестель/Pavel Ivanovich Pestel'
(1793―1826)

ロシア革命家デカブリスト(十二月党員)。中央幼年学校を卒業後、祖国戦争ナポレオン戦争)に参加し、ナポレオン軍隊を追って各地に転戦した。1816年、デカブリストの最初秘密結社である「救済同盟」に加入。18年、勤務地である南ロシアのトゥリーチンに二番目の結社の「福祉同盟」の支部をつくった。21年大佐に昇進。この年3月デカブリストの「南方結社」を創設しその指導者となった。彼は、農奴制と専制政治を廃止し、将来ロシアが共和国となったときの憲法ともいうべき「ルースカヤ・プラウダ」(ロシア法典)を起草し、これを結社の綱領とした。25年12月、蜂起(ほうき)の直前に逮捕され、裁判ののち、他の4人の指導者とともに処刑された。

[外川継男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペステリ」の意味・わかりやすい解説

ペステリ
Pestel', Pavel Ivanovich

[生]1793.7.5. モスクワ
[没]1826.7.25. ペテルブルグ
ロシアの軍人デカブリストの一人。 1816年デカブリストの最初の秘密結社「救済同盟」に加入。 21年南ロシアのツリチンに「南方結社」をつくってその指導者となった。 24年革命後のロシアの改造案ともいうべき『ルースカヤ・プラウダ』を作成共和制を掲げた。 25年 12月蜂起に失敗し,4人の同志とともに処刑された。

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世界大百科事典 第2版 「ペステリ」の意味・わかりやすい解説

ペステリ【Pavel Ivanovich Pestel’】

1793‐1826
ロシアの革命家,デカブリストの指導者。東シベリア総督イワン・ペステリの子として生まれ,1805‐09年ドイツのドレスデンで学んだあと,中央幼年学校に入学。卒業後ナポレオン戦争に参加し,外征も経験する。21年大佐に昇進し,ビャトカ連隊長に任命される。1816年デカブリストの最初の秘密結社である〈救済同盟〉に加入したあと,18年には第2の結社である〈福祉同盟〉の支部を,自分の勤務する南ロシアのトゥリチンにつくる。

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367日誕生日大事典 「ペステリ」の解説

ペステリ

生年月日:1793年7月5日
ロシアの軍人,デカブリストの一人
1826年没

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世界大百科事典内のペステリの言及

【ルスカヤ・プラウダ】より

…この法典はその後のロシア,リトアニアにおける法典作成の典拠とされた。(2)デカブリストの《ルスカヤ・プラウダ》は,1824年〈南方結社〉の指導者ペステリPavel Ivanovich Pestel’(1793‐1826)の作成した憲法草案で,当面の目標として,専制政治の打倒と農奴制の廃止を唱える。私有地の存在と貧富の差を肯定し,貧民のために国有地の活用を予定している。…

【ルスカヤ・プラウダ】より

…この法典はその後のロシア,リトアニアにおける法典作成の典拠とされた。(2)デカブリストの《ルスカヤ・プラウダ》は,1824年〈南方結社〉の指導者ペステリPavel Ivanovich Pestel’(1793‐1826)の作成した憲法草案で,当面の目標として,専制政治の打倒と農奴制の廃止を唱える。私有地の存在と貧富の差を肯定し,貧民のために国有地の活用を予定している。…

※「ペステリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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