日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホオズキトマト」の意味・わかりやすい解説
ホオズキトマト
ほおずきとまと
[学] Physalis ixocarpa Brot.
ナス科(APG分類:ナス科)の一年草。メキシコ原産。高さは約1メートル、よく分枝する。葉は長柄があり、卵形から長卵形、長さ約8センチメートル、葉肉は薄く、不規則な鋸歯(きょし)がある。花は鮮黄色、径2センチメートルで、浅いらっぱ状をなし、筒上部に黒褐色の斑点(はんてん)が5個ある。果実は液果で、初めは成長した宿存萼(がく)に覆われ、ホオズキに似ているが、やがて成長して宿存萼を破って露出し、果径は約5センチメートルに達する。果皮は熟すにつれ緑から濃紫色に変わる。果実はすりつぶしてトウガラシその他とともにソースとし、またスープやシチューの具とするほか、未熟果は油炒(いた)めにして食べる。
宿存萼がよく発達するところからハスクトマトhusk tomato(外皮のあるトマトの意味)とよばれる。メキシコではトマテ、トマティーヨまたはトマトルとよび、古くから用いられている。
[飯塚宗夫 2021年7月16日]