ホラント(読み)ほらんと(英語表記)Holland

精選版 日本国語大辞典 「ホラント」の意味・読み・例文・類語

ホラント

(Holland) オランダ西部の地方名。現在は、アムステルダムハーレムがあるノルト(北)ホラント州デン・ハーグロッテルダムがあるゾイト(南)ホラント州に分かれる。独立以来、政治経済文化中心であるためオランダ全土をさすこともある。日本語での呼称「オランダ」の語源ともなった。

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デジタル大辞泉 「ホラント」の意味・読み・例文・類語

ホラント(Holland)

オランダ西部の地方。独立以来、政治・経済・文化の中心となってきたためオランダ全土をさすこともある。現在は、ノルト(北)ホラントとゾイト(南)ホラントの2州に分けられる。
[補説]日本語での呼称「オランダ」の語源となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホラント」の意味・わかりやすい解説

ホラント
ほらんと
Holland

オランダ西部の地方名で、州名でもある。この地域スペインからの独立時に主導権を握り、それ以後も政治、経済、文化の中心となったため、しばしばオランダ全土の名称としても使用される。日本語の「オランダ」もこの地方名が語源である。11世紀以来ホラント伯の所領であった。1323年ゼーラントを合併、1433年ブルゴーニュ公に帰属し、77年ハプスブルク家所領となり、1555年スペインの支配下に入る。1579年ユトレヒト同盟に加わりオランダ独立運動を推進した。1815年ウィーン会議後ネーデルラント王国の一州となり、40年ノールト(北)・ホラント(中心はハールレム)とゾイト(南)・ホラント(中心はハーグ)の二州に分割された。

[長谷川孝治・磯見辰典]

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世界大百科事典 第2版 「ホラント」の意味・わかりやすい解説

ホラント【Holland】

オランダ西部の地方で,北海に面する。語源は,ホルトラントHoltland(木の国)。中世以来のホラント伯領がほぼこれに当たり,現在は南北両ホラント州に分かれている。南ホラント州は面積3326km2,人口313万0500(1981),州都ハーグ。北ホラント州は面積2912km2,人口230万8600(1981),州都ハールレム。人口は,両州合わせて同国の1/3強を占める。アムステルダム,ロッテルダム,ハーグなどの主要都市を含むこの地方は,歴史的にも,また現在も同国の政治,経済,文化の中心をなしている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ホラント」の解説

ホラント
Holland

アムステルダムハーグを含むオランダの地域。15世紀後半ハプスブルク家領となったが,16世紀にその暴政に抵抗してオランダ独立戦争の中核として戦い,オランダ共和国の独立を達成。独立後も国制上また経済的にも圧倒的な優位を占めたため,ホラントはオランダの全体をさすようになり,日本語のオランダもそれに由来する。現在は南北両州に分かれている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホラント」の意味・わかりやすい解説

ホラント
Grafschap en Provincie van Holland

中世の伯爵領で 16世紀末以降オランダの最重要の州。9世紀に由来し,11世紀末伯の称号を得たホラント伯家の支配するオランダ北西部沿岸地方。 13世紀にはエノー家,続いてバイエルン家,15世紀にはブルゴーニュ家さらにハプスブルク家の領有に帰した。オランダ独立後,共和国の1州として経済,文化の中心となり,多くの都市が発達し,特にアムステルダムは世界的貿易港として繁栄した。そのためネーデルラント連邦共和国 (現王国) はしばしばホラント (オランダ) と呼ばれる。 1840年南北に2分された。

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世界大百科事典内のホラントの言及

【オランダ】より

…日本の九州にほぼ等しい面積の小国で,人口密度は世界屈指の高さである。16世紀後半の建国以来ホラント州(現在の南・北ホラント両州)がこの国の政治,経済,文化の中心であったため,〈ホラントHolland〉とも呼ばれる。東は西ドイツ,南はベルギーと国境を接し,北と西は北海に面して長い海岸線を形づくる。…

【オランダ】より

…日本の九州にほぼ等しい面積の小国で,人口密度は世界屈指の高さである。16世紀後半の建国以来ホラント州(現在の南・北ホラント両州)がこの国の政治,経済,文化の中心であったため,〈ホラントHolland〉とも呼ばれる。東は西ドイツ,南はベルギーと国境を接し,北と西は北海に面して長い海岸線を形づくる。…

【レヘント】より

…レヘントは各都市の代表として州議会議員となって州の政治を担い,また7州によって構成され,共和国の最高意志決定機関である連邦議会に州を代表する議員として出席した。連邦議会においては連邦財政の過半を負担するホラント州代表の発言権が強く,ホラント州議会を支配したのはアムステルダムをはじめとする商業都市の代表であったから,レヘントは都市,州,国の実質的支配者であった。彼らは〈議会派〉と呼ばれる政治勢力を形成し,商業・貿易の自由=州分権(州主権)体制の確立と維持を志向し,ハーグの総督を中心に集権的統治を推進しようとする〈総督派〉と激しく対立した。…

※「ホラント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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