ホルテル(英語表記)Gorter, Herman

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホルテル」の意味・わかりやすい解説

ホルテル
Gorter, Herman

[生]1864.11.26. ノルトホラント,ウォルメルフェール
[没]1927.9.15. ブリュッセル
オランダ詩人マルクス主義立場立ち社会民主主義から共産主義へ移ったが,のち第3インターナショナルやレーニンと衝突した。詩集『五月』 Mei (1889) はオランダ文学新風をもたらした。ほか評論『オランダにおける 1880年代の文学運動と批評』 Kritiek op de litteraire beweging van1880in Holland (98~99,1908~09) がある。

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世界大百科事典 第2版 「ホルテル」の意味・わかりやすい解説

ホルテル【Herman Gorter】

1864‐1927
オランダの詩人。ウォルメルフェールWormerveer生れ。古典学を学び,一時教職につく。1880年代の文学革新運動グループ〈80年代派Tachtigers〉の一人で,89年発表した詩《五月》は新鮮な想像力と独自の言葉でオランダの自然を歌いあげ,また象徴主義的手法で地上のうつろいやすい美と天上の永遠の美を表現した。そののち,感覚主義的な詩において詩的言語表現の可能性を探求するかたわら,スピノザへの沈潜精神均衡を求めた。

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世界大百科事典内のホルテルの言及

【オランダ文学】より

…一方,ベーツは写実的ユーモア小説の傑作《カメラ・オブスキュラ》(1839)を書き,またムルタトゥーリは自国の植民政策の非人道性を告発した小説《マックス・ハーフェラール》(1860)を発表し,その熱情的理想主義と斬新なスタイルは近代オランダ文学に絶大な影響を与えた。19世紀後半におけるオランダ社会の急速な近代化と自由主義の伸展に呼応して,文壇に新風を吹きこんだのが〈80年代派Tachtigers〉と呼ばれるクロースフェルウェーエーデンホルテルらを中心とする若い詩人たちである。彼らは《新道標Nieuwe Gids》誌に結集し,美それ自体を目的とする芸術至上主義を掲げて先輩たちの道徳的教訓的通俗性を激しく攻撃した。…

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