日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボタンインコ」の意味・わかりやすい解説
ボタンインコ
ぼたんいんこ / 牡丹鸚哥
lovebird
鳥綱オウム目オウム科ボタンインコ属に含まれる鳥の総称。この属Agapornisの仲間は9種があり、全長13~17センチメートルと小形で尾が短く、体は緑色であるが、顔部が赤、黄、黒など変化がある。アフリカに分布し、そのうち頭が灰白色のカルカヤインコはマダガスカル島に産する。一般に、水流に沿いアカシアなどの生えた開けた林から耕地にすみ、小群で行動するが、合して数十羽の採餌(さいじ)群ともなる。果実、木の実、とくにイチジク類を好むが、穀物を食べ地上採餌するものもある。巣は樹上のシロアリの巣に穿孔(せんこう)したり、樹木の洞や建物のすきま、シュウダンハタオリドリの巣を利用したりする。ボタンインコ、コザクラインコ、ハツハナインコなどがよく知られ、コザクラインコでは雌は巣材を羽毛の中に差し込んで運ぶが、種によって運搬法が違い、それによりグループ分けされる。雌雄は仲がよく、飼い鳥としてじょうぶで活発で、繁殖も容易で、多数をまとめて飼えるため愛玩(あいがん)される。
[黒田長久]
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