ボルタンメトリー

化学辞典 第2版 「ボルタンメトリー」の解説

ボルタンメトリー
ボルタンメトリー
voltammetry

微小電極指示電極とし,非分極性電極を対極として,多量の支持電解質の存在下で,微小濃度の被電解物質の電解を行うと得られる電流-電位曲線を解析することにより電解現象を研究する学問の総称.J. Heyrovský(ヘイロフスキー)は指示電極として滴下水銀電極を用いて行う電解法に対しポーラログラフィーとよんだが,ボルタンメトリーはI.M.Kolthoffが白金回転電極を指示電極として用いる際に導入した用語である.現在では,指示電極として,滴下水銀電極以外の微小電極を用いた場合に対し広く用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典 第2版 「ボルタンメトリー」の意味・わかりやすい解説

ボルタンメトリー【voltammetry】

化学の一分野である電気化学では電位E電流iの関係を定量的に調べることが基本になるため,通常,両者のうちのどちらかをある一定値に規制して他方の変化を追跡する。ボルタンメトリーは電極に一定の電位を印加したとき回路を流れる電流を観測する。またこれと対照的にポテンシオメトリーはi≒0でEの変化を観測する。ボルタンメトリーは白金,水銀,カーボンなどの指示電極(作動電極)を用いて電気分解を行い,そのときの電流‐電位曲線(ボルタモグラム)から電極‐溶液界面で起こる種々の化学現象,とくに酸化還元反応に関する情報を得る。

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