ポテンシャル論
ぽてんしゃるろん
theory of potential

とし、関数u(x,y,z)=-1/rを考えると、原点にある質量1の質点と、(x,y,z)にある質量1の質点の間の引力は、ベクトル

で表される。このとき、関数u(x,y,z)を重力場Fのポテンシャルという。
このように、ベクトル場F(x,y,z)が、関数u(x,y,z)により

の形で表されるとき、u(x,y,z)をF(x,y,z)のポテンシャルという。
F(x,y,z)
=(f(x,y,z),g(x,y,z),
h(x,y,z))
がポテンシャルをもつ必要十分条件は
rotF=0すなわち、

である。
[洲之内治男]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ポテンシャル論
ポテンシャルろん
potential theory
力学で,ベクトル量の力 F の代りにスカラー量のポテンシャル
を考えれば,力は
,すなわち,力の成分は
で与えられる。静電場 E や静磁場 H に対しても同様な電気ポテンシャル (電位) ,磁気ポテンシャル (磁位) が考えられる。ポテンシャル
は物質 (または電荷,磁荷) が体積密度 ρ で分布するところ,および分布しないところで,それぞれ次の式を満足する。
物質 (電荷,磁荷) の分布が既知のとき,これらの偏微分方程式の境界値問題の解としてポテンシャル
を求め,力場 (電場,磁場) を定めるなど,ポテンシャルに関する数学をポテンシャル論という。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ポテンシャルろん【ポテンシャル論 potential theory】
ベクトル場FがスカラーUによってF=-gradUと表されるとき,UをFのポテンシャルという。 例えば,三次元空間の,集合Eを占める物体Mがあり,点Q∈Eにおける密度がρ(Q)のとき,万有引力の定数をGとおけば,物体Mによる重力の場Fは,ポテンシャル,
の-gradUに等しい。 P=P(x,y,z)とすると,この関数はポアソンの方程式,
をみたす。したがって,とくに,Eの外点では⊿U=0をみたす。つまり調和関数である。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報