ポリエン(英語表記)polyene

精選版 日本国語大辞典 「ポリエン」の意味・読み・例文・類語

ポリエン

〘名〙 (polyene) 分子内に二重結合多数もつ高分子化合物総称

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ポリエン」の意味・読み・例文・類語

ポリエン(polyene)

分子内に多数の二重結合をもつ炭化水素弾性ゴムなど。二重結合が共役しているものは共役ポリエンという。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリエン」の意味・わかりやすい解説

ポリエン
polyene

多数のエチレン結合CH=CH- を分子内にもつ炭化水素群の総称。重要な化合物にはエチレン結合が共役ポリエン -CH=CH-CH=CH- となっているものが多い。高分子化合物では重合によって種々の鎖長のものが得られるが,純粋な形で取出すことはむずかしい。分子の両端フェニル基をもつジフェニルポリエンは,純粋な化合物としてその性質が研究されている。共役ポリエンには発色団の性質があり,天然に見出されるカロテノイド系色素にはすべてこのポリエン発色団がみられる。カロテンはプロビタミンAとしてよく知られている。多数のエチレン結合が累積二重結合 -CH=C=C=CH- しているクムレン系炭化水素もポリエンである。共役ポリエンをもつ抗生物質群 (リモシジン,ペンタマイシン,メジオシジン,トリコマイシンなど放線菌やカビが生産する抗カビ,抗酵母性のもの) もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「ポリエン」の解説

ポリエン
ポリエン
polyene

ポリオレフィンともいう.分子内に二重結合を多数もつ不飽和炭化水素の総称.二重結合の数に応じて,ジエン,トリエン,テトラエンなどという.もっとも重要なものは,すべての二重結合が共役したもので,これを共役ポリエンという.共役ポリエンは強力な発色団で,ポリエン色素として天然に広く存在している(カロテノイド).累積二重結合をもつものはクムレン系炭化水素,二重結合が互いに孤立しているものは孤立ポリエン系炭化水素という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

激甚災害

地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...

激甚災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android