精選版 日本国語大辞典 「ポリスチレン」の意味・読み・例文・類語
ポリ‐スチレン
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ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルとともに四大プラスチックの一つ。スチレン樹脂、スチロール樹脂、ポリスチロールともよばれる無色透明の熱可塑性樹脂。スチレンC6H5CH=CH2の懸濁重合で平均分子量7万~10万程度の粒状のものが市販されている。安価で汎用(はんよう)性に富み、多量に生産されている(2002年の日本の生産量約184万トンで、ポリ塩化ビニルの約223万トンに次ぐ)。
ポリスチレンは耐水性、高周波絶縁性に優れ、酸やアルカリに強いが炭化水素やケトン系の溶媒に弱い。軟化点90℃ぐらいで射出成形が容易。着色も自由であるがもろいという欠点をもっている。このもろさを改良した耐衝撃性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン)やABS樹脂がつくられている。前者はポリスチレンにブタジエン・スチレン共重合物のSBR(スチレン・ブタジエンゴム)をブレンドしたもので、SBRの添加量によってポリスチレンのもろさは改良されるが、ゴムの性質が現れてくる。ブレンドのように混合でなく、共重合させた改良法がABS樹脂で、これはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの三成分系の共重合物や混合物である。ポリスチレンの耐衝撃性の向上のほかに、アクリロニトリルの特性が加わり、各物性のバランスのとれたエンジニアリング・プラスチックとして広い用途をもつ。さらに合成木材としても用いられる。低発泡による木材代用品で木目模様をつけて適当に着色される。また、耐熱性向上のためにα(アルファ)-メチルスチレン、無水マレイン酸との共重合も行われ、これは耐熱性ポリスチレンとよばれる。
[垣内 弘]
ポリスチレンの用途が伸びているものに発泡ポリスチレン(発泡スチロール樹脂)がある。これは、ポリスチレンに発泡剤として低級炭化水素を混ぜてスポンジにした粒子を、100℃ぐらいで押し固めて板にする。断熱材としてコルクのかわりに、また鮮魚のトロ箱、商品包装の詰め物、特殊な用途として鋳物工場で中子(なかご)のかわりに使われる。
[垣内 弘]
『R. J. Ehrig編著、プラスチックリサイクリング研究会訳『プラスチックリサイクリング――回収から再生まで』(1993・工業調査会)』▽『佐伯康治・尾見信三著『新ポリマー製造プロセス』(1994・工業調査会)』▽『久布白謙三著『技術とビジネスの基礎知識 発泡ポリスチレンのすべて』(1995・マーテック)』▽『農林水産省食品流通局市場課監修『発泡スチロール再生利用マニュアル――卸売市場環境対策事業報告書』(1995・ぎょうせい)』▽『井手文雄著『実用ポリマーアロイ設計』(1996・工業調査会)』▽『小松公栄ほか著『メタロセン触媒でつくる新ポリマー――新製品の開発・生産性の向上』(1999・工業調査会)』
略称PS.スチレンの重合体で,スチレン樹脂,スチロール樹脂ともいう.工業的には,塊状重合,溶液重合,懸濁重合,乳化重合などの方法でつくられる.無色透明.密度1.05~1.07 g cm-3.ガラス転移温度82 ℃.
1.60.引張強さ35~56 MPa.誘電率が小さく吸湿性がなく,熱流動性,熱安定性もよいため,代表的な熱可塑性樹脂として,電気および熱の絶縁材のほか,種々の日常用品に利用されている.[CAS 9003-53-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
冬期3カ月の平均気温が平年と比べて高い時が暖冬、低い時が寒冬。暖冬時には、日本付近は南海上の亜熱帯高気圧に覆われて、シベリア高気圧の張り出しが弱い。上層では偏西風が東西流型となり、寒気の南下が阻止され...
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