日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポンカン」の意味・わかりやすい解説
ポンカン
ぽんかん / 椪柑
ponkan
[学] Citrus reticulata Blanco
Citrus poonensis Tanaka
ミカン科(APG分類:ミカン科)の常緑低木。インド北部原産。樹高約4メートルで、直立し、枝条は著しく密生する。葉は濃緑色で小さく、線状の翼がある。花は白色で結果枝に頂生し、多くは単生する。果実は縦径約5センチメートル、横径約6センチメートルで、果重200~250グラム、果柄部は突出し、果頂部はくぼむ。剥皮(はくひ)は容易で、果肉は甘味に富み、多汁で、香りが高く、風味がよい。多胚(はい)からなる数粒の種子がある。インド北部、ネパール、東南アジア、中国大陸南部、台湾に多く、日本では温暖な地域で栽培される。愛媛県、鹿児島県、高知県などに多い。屋久島(やくしま)、種子島(たねがしま)のものはよいとされる。大葉系、小葉系などがあるが、コウショウポンカンは優良品種である。イハラポンカンは耐寒力がやや強い。台湾では10~11月、鹿児島県では12~1月に熟す。
[飯塚宗夫 2020年10月16日]