《アーサー王の死》の作者とされる人物。この作品は,アーサー王伝説の英語散文による優れた集大成とも称すべき,15世紀イギリス最高の散文作品であり,イギリス最初の印刷・出版業者W.カクストンによって1485年に出版された。マロリーの伝記は明らかではないが,ウォリックシャー生れの騎士で,40歳のころから殺人未遂,窃盗,強姦などの無法を重ね,投獄,保釈の連続ともいうべき数奇な人生を送り,この間,国会に議席も得ている。最後の入獄(1469-70)は,破廉恥罪のためではなくなんらかの政治的理由によるものと推定されているが,この時期と《アーサー王の死》の執筆年代が一致する。しかし,この作品がもつ文学的香気と,以上のようなマロリーの無頼の履歴とは,あまりにも相いれぬものであるために,真の作者は,ヨークシャーのハットンおよびスタッドリーに所領をもっていたトマス・マロリーであるとする説,さらに,ケンブリッジシャーのパプワースのトマス・マロリーであるとする説などがある。また,ウォリックシャーのマロリーについても,従来の定説の再考を主張する説があり,しかるべきマロリー像の確立は将来の研究にまたねばならない。
執筆者:安東 伸介
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