マンノグリカンともいう.マンノースを主構成成分とする多糖の総称.95% 以上が(β1→4)結合をもつマンノースからなるものもあるが,かなりの量のガラクトース,グルコースを含むものもある.木材,種子,そのほかの植物体に広く分布している.ゾウゲヤシの種子からアルカリ抽出し,アルコールで沈殿させたものは,ほとんど(β1→4)マンノースからなる白色の粉末で,水に不溶.-44.1~-44.7°(1 mol L-1 水酸化ナトリウム).LD50 2000 mg/kg(マウス,静脈).ラン科の球根に含まれ,サレップ粉(薬用および食用粉)から水で抽出されるサレップマンナンは-35°(水).平均分子量12000.海藻マンナンは-22°(無水ギ酸).12個のマンノース単位につき1個の分枝をもつ.微生物や酵母表層マンナンは,(α1→6)結合した主鎖に多数の(α1→2)および(α1→3)結合の側鎖をもつ.水に可溶な白色の吸湿性固体で,+89°(水).サトイモ科のコンニャクイモAmorphophallus konjakの地下茎に存在する,多数の大型異形細胞中に含まれるコンニャク粒子の構成多糖は,コンニャクグルコマンナンといい,β-D-グルコピラノースとβ-D-マンノピラノースのモル比3:2からなり,
(1→4)Manp(1→4)Manp(1→4)Glcp(1→4)Glcp(1→4)
の基本構成単位で繰り返されている.[CAS 9036-88-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…花時には葉がないので異様である。 球茎の発育にしたがって,球茎組織中に存在する多数のマンナン細胞内に炭水化物の一種であるマンナンmannanが蓄積し,マンナン粒子を形成し,細胞は肉眼的な大きさに発達する。球茎は食用こんにゃくに加工されるほか,食品加工の原料や工業用にも用いられる。…
…花時には葉がないので異様である。 球茎の発育にしたがって,球茎組織中に存在する多数のマンナン細胞内に炭水化物の一種であるマンナンmannanが蓄積し,マンナン粒子を形成し,細胞は肉眼的な大きさに発達する。球茎は食用こんにゃくに加工されるほか,食品加工の原料や工業用にも用いられる。…
※「マンナン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」