マンナン

デジタル大辞泉 「マンナン」の意味・読み・例文・類語

マンナン(mannan)

単糖類一種マンノースを主な構成成分とする多糖類こんにゃく芋海藻ゾウゲヤシの実などに多く含まれる。食物繊維の一。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「マンナン」の意味・読み・例文・類語

マンナン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] mannan ) 主としてマンノースからなる多糖類の総称。ゾウゲヤシの胚乳コンニャクイモ地下茎紅藻類酵母などに多く含まれる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「マンナン」の解説

マンナン
マンナン
mannan

マンノグリカンともいう.マンノースを主構成成分とする多糖の総称.95% 以上が(β1→4)結合をもつマンノースからなるものもあるが,かなりの量のガラクトースグルコースを含むものもある.木材,種子,そのほかの植物体に広く分布している.ゾウゲヤシの種子からアルカリ抽出し,アルコールで沈殿させたものは,ほとんど(β1→4)マンノースからなる白色粉末で,水に不溶.-44.1~-44.7°(1 mol L-1 水酸化ナトリウム).LD50 2000 mg/kg(マウス,静脈).ラン科の球根に含まれ,サレップ粉(薬用および食用粉)から水で抽出されるサレップマンナンは-35°(水).平均分子量12000.海藻マンナンは-22°(無水ギ酸).12個のマンノース単位につき1個の分枝をもつ.微生物や酵母表層マンナンは,(α1→6)結合した主鎖に多数の(α1→2)および(α1→3)結合の側鎖をもつ.水に可溶な白色の吸湿性固体で,+89°(水).サトイモ科のコンニャクイモAmorphophallus konjakの地下茎に存在する,多数の大型異形細胞中に含まれるコンニャク粒子の構成多糖は,コンニャクグルコマンナンといい,β-D-グルコピラノースとβ-D-マンノピラノースのモル比3:2からなり,

(1→4)Manp(1→4)Manp(1→4)Glcp(1→4)Glcp(1→4)
の基本構成単位で繰り返されている.[CAS 9036-88-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「マンナン」の意味・わかりやすい解説

マンナン
mannan

マンノースを主成分とする多糖の総称。ゾウゲヤシの実,緑藻ミル紅藻アサクサノリには,ほぼD-マンノースのみがβ-1,4結合したものから成るマンナンが存在する。酵母の細胞壁など微生物のマンナンにはα-1,6結合したものが多い。また,こんにゃくはグルコースとマンノースがβ-1,4結合したものから成るグルコマンナン(グルコマンノグリカン。グルコースとマンノースの比は1:2または2:3,3:5)を主成分としている。
多糖


執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「マンナン」の意味・わかりやすい解説

マンナン

D-マンノース(C6H12O6,アルドヘキソースの一種)の重合した多糖類。ゾウゲヤシの実,ラン科植物の球根(サレップ粉),酵母,裸子植物の木質,海藻などに含まれる。ゾウゲヤシマンナンはβ-1,4結合した直鎖状重合体であるが,酵母マンナンには枝分れの部分も含まれると考えられている。コンニャクの成分コンニャクマンナン(グルコマンナン)はD-マンノースとブドウ糖が2:1で重合したもの。
→関連項目コンニャク食物繊維

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「マンナン」の解説

マンナン

 D-マンノースを構成糖とする多糖.コンニャクに含まれるコンニャクマンナンは,グルコマンナンで,正確にはマンナンではない.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のマンナンの言及

【コンニャク(蒟蒻)】より

…花時には葉がないので異様である。 球茎の発育にしたがって,球茎組織中に存在する多数のマンナン細胞内に炭水化物の一種であるマンナンmannanが蓄積し,マンナン粒子を形成し,細胞は肉眼的な大きさに発達する。球茎は食用こんにゃくに加工されるほか,食品加工の原料や工業用にも用いられる。…

【コンニャク(蒟蒻)】より

…花時には葉がないので異様である。 球茎の発育にしたがって,球茎組織中に存在する多数のマンナン細胞内に炭水化物の一種であるマンナンmannanが蓄積し,マンナン粒子を形成し,細胞は肉眼的な大きさに発達する。球茎は食用こんにゃくに加工されるほか,食品加工の原料や工業用にも用いられる。…

※「マンナン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」