ミシシッピ文化(読み)ミシシッピぶんか(英語表記)Mississippian culture

世界大百科事典 第2版 「ミシシッピ文化」の意味・わかりやすい解説

ミシシッピぶんか【ミシシッピ文化】

北アメリカ東部の森林地帯に,ウッドランド文化につづいて発展し,ヨーロッパ人の植民地建設時まで継続していたアメリカ・インディアンの先史文化をいう。メソアメリカからの間接的影響をうけてミシシッピ川中流域でまず発達し,のちに周辺に広まったと考えられている。方形広場を伴う寺院基壇用のマウンドが特徴的であり,発達した宗教体系をもち,集約的農業や土器製作などの技術の発達で特徴づけられる。寺院基壇用のマウンドは上面が平坦で,その上に寺院,首長住居,そのほかの重要な建物が建設されたと考えられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシシッピ文化」の意味・わかりやすい解説

ミシシッピ文化
ミシシッピぶんか
Mississippian culture

9~16世紀にかけて,ミシシッピ川流域の諸地域に発達した神殿塚文化。方形または楕円形土壇の上に神殿を祀り,祭祀センターを中心部落や町を形成した。この種の村落形態はメソアメリカ文化からの影響とみなされている。

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世界大百科事典内のミシシッピ文化の言及

【アメリカ・インディアン】より

…このほかに,河川・湖沼・海岸における漁労や採集,森林地帯における狩猟が行われていた。 東部森林の原住民は先史時代のミシシッピ文化の担い手の子孫であった。寺院の基壇と解釈されるテンプル・マウンドは広く東部一帯に分布し,複雑な階層社会が存在していた。…

※「ミシシッピ文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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