翻訳|Missouri
アメリカ合衆国中北部の川。北アメリカ最大の川ミシシッピ川に北西から注ぐ最大の支流である。全長3970キロメートル。流域面積はミシシッピ川流域の3分の1以上の約130万平方キロメートルを占める。モンタナ州の南西部州境付近のロッキー山脈に源を発するマディソン川、ジェファソン川、ギャラティン川の合流したもので、初め北東に流れ、ノース・ダコタ州北西部から南東流してセントルイスの北でミシシッピ川に合流する。年降水量500ミリメートル以下の地域を流れるので、合流点付近の平均流量毎秒2300トンに対し、高水期には毎秒2.2万トン、渇水期には毎秒360トンとその変化が大きい。1673年にペール・マークェットとジョリエットにより発見され、その名称は上流域に住んでいたインディアン部族の「泥の水」を意味する語に由来する。舟運の便はモンタナ州グレート・フォールズまであったが、水位変化が激しく困難な面があった。初めは毛皮交易、金探鉱、北部への旅行、さらに布教、プレーリー開拓の重要なルートであった。下流はしばしば大洪水にみまわれ、その防御と流域の開発を目的とするミズーリ川総合開発事業が進められ、フォート・ペック、ガリソン、オアヘなどの大ダムがつくられた。
[大竹一彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アメリカ合衆国中北部を南東流するミシシッピ川最大の支流。全長3970km。ロッキー山脈中(モンタナ州)で,ジェファソン,ガラティン,マディソンの3河川の合流により生じ,ミズーリ州中東部,セント・ルイスの上流25kmでミシシッピ川に流入する。18世紀初頭にはフランス人毛皮商人が利用したが,上流部までの探検は,1804-06年ルイス=クラーク探検隊により行われた。雪どけ水により洪水が頻発し,〈ビッグ・マディ(大きな濁流)〉のニックネームをもつが,1940年代中ごろより治水事業が進められてきた。
執筆者:矢ヶ崎 典隆
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