ミリスチルアルコール

世界大百科事典 第2版 「ミリスチルアルコール」の意味・わかりやすい解説

ミリスチルアルコール【myristyl alcohol】

化学式CH3(CH2)13OH。1‐テトラデカノールともいう。炭素数14の直鎖アルコール。天然にはマッコウ鯨油,ツチ鯨油などに少量存在する。室温白色結晶。融点38℃,沸点292℃,比重d420=0.8355,屈折率nD20=1.4470。水に不溶,エーテルには自由な割合で混合する。エチルアルコールに易溶。希エチルアルコール溶液から小片状に結晶するので,精製に利用される。硫酸エステル化して界面活性剤として用い,各種クリーム,スティック製品などの化粧品の粘稠度付加剤とされる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

化学辞典 第2版 「ミリスチルアルコール」の解説

ミリスチルアルコール
ミリスチルアルコール
myristyl alcohol

C14H30O(214.39).1-テトラデカノール,テトラデシルアルコールともいう.マッコウクジラなどの鯨油中に脂肪酸エステルの形で存在する.これをけん化するか,ミスチリン酸メチルを水素化アルミニウムリチウムで還元することで得られる.白色の固体.融点37.9 ℃,沸点292 ℃.水に不溶,エーテルに可溶.界面活性剤原料,化粧品の軟化剤増粘剤などに用いられる.[CAS 112-72-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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