ムカゴサイシン(読み)むかごさいしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムカゴサイシン」の意味・わかりやすい解説

ムカゴサイシン
むかごさいしん / 零余子細辛
[学] Nervilia nipponica Makino

ラン科(APG分類:ラン科)の多年草地下塊茎がある。5~7月、高さ約10センチメートルで無葉の花茎を出し、先端に花を1個横向きに開く。花冠は半開し、長さ約1センチメートル。花被片(かひへん)は紫色を帯びた褐色唇弁白色で紫色の斑点(はんてん)があり、距(きょ)はない。葉は花期後に1枚つき、円心形で網状脈がある。葉柄は長さ約3センチメートル。常緑樹林林床にまれに生育し、本州から九州、沖縄に分布する。

井上 健 2019年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「ムカゴサイシン」の意味・わかりやすい解説

ムカゴサイシン【Nervilia nipponica Makino】

常緑樹林の林床にまれに生える小型の地生ラン。葉と花が別々の時期に出るのが特徴。和名球茎ヤマノイモむかご(珠芽),葉をウスバサイシン類になぞらえたもの。小さな球茎がある。5~7月,10cmくらいの花茎に花を1個つける。葉は花後に出る。葉はただ1枚のみ,芽の中では扇のようにたたみこまれており,それが開くと葉柄は長く,葉身は五角形状心形となり,通常のランの葉とはかなり異なる。花は茶褐色であまり開かず,径1cm程度。

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