ムーランの画家(読み)ムーランのがか(英語表記)Maître de Moulins

改訂新版 世界大百科事典 「ムーランの画家」の意味・わかりやすい解説

ムーランの画家 (ムーランのがか)
Maître de Moulins

フランス画家生没年不詳。1480-1500年ころ中部フランスで活動し,ブルボン公家,フランス王家のために制作した。代表作《ムーラン大聖堂の三連祭壇画》(1498ころ)にちなんで,こう命名された。初期作品としてロラン枢機卿の《降誕》(1480ころ)がある。ファン・デル・フースとJ.フーケの影響を示すこの画家を,15世紀末に活動し史料に名ののこるペレアルJean PerréalやプレボーJean Prévostと同定する試みもなされたが,現在では《エッケ・ホモ》(1494)に署名をのこすエーJean Hey(Hay)とする説が様式比較により有力視されている。
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