メハジキ(目弾き)(読み)メハジキ(英語表記)Leonurus sibiricus; mother-wort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メハジキ(目弾き)」の意味・わかりやすい解説

メハジキ(目弾き)
メハジキ
Leonurus sibiricus; mother-wort

シソ科の越年草で,ヤクモソウともいう。アジア東部の温帯から亜熱帯に広く分布し,北アメリカにも帰化している。日本では北海道を除く各地の野原路傍に生える。茎は四角形で直立し高さ 50~100cmあってまばらに分枝し,葉裏や萼とともに白色の短毛を密生する。根出葉は長い柄があって分裂せず卵心形であらい鋸歯があり,花時には枯れる。茎葉は軟質で対生し,下部のものは深く3裂,裂片はさらに羽状に裂ける。上部の葉は次第に小型になり披針形ないし線形になる。夏から秋にかけて,上部の葉腋に淡紅紫色の唇形花を数個ずつつける。萼は筒状で5裂し,裂片の先端はとげ状にとがる。おしべは4本でそのうちの2本が長い。果実は4個の分果から成り宿存性の萼に包まれる。漢方では花時に全草を乾燥したものを益母草 (やくもそう) またはじゅう蔚 (じゅうい) と呼び,婦人科系疾患の薬用にされる。

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