ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モクズガニ」の意味・わかりやすい解説
モクズガニ
Eriocheir japonicus; Japanese mitten crab
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節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目イワガニ科に属するカニ。各地でカワガニ、ケガニ、ズガニなどとよび、食用にする。樺太(からふと)(サハリン)、北海道から琉球(りゅうきゅう)諸島、朝鮮半島南部、台湾、香港(ホンコン)に分布し、小笠原(おがさわら)諸島からも知られている。甲幅6センチメートルあるいはそれ以上に達し、甲の輪郭は丸みのある四角形。額(がく)は波状に張り出す。甲の前側縁には幅広い3歯と痕跡(こんせき)的な1歯がある。はさみ脚(あし)は左右同大。掌部全面と両指基部に長い軟毛が密に生えており、表面は見えない。川の中流域で生活するが、産卵のために川を下り、2、3回産卵し、幼生を放出した約半年後にふたたび川を上る。一部の個体はそのまま潮間帯に残るらしい。近縁種のシナモクズガニE. sinensis(近年はチュウゴクモクズガニともよばれる)はシャンハイガニの名で食用として輸入されている。モクズガニによく似ているが、額歯、前側縁歯ともずっと鋭い。朝鮮半島の黄海沿岸、忠清南道付近でモクズガニと分布を接し、中国全土のクリークに生息する。現在ではヨーロッパ各地の河川にごく普通にみられるが、幼ガニが黄河か揚子江(ようすこう)から船倉の水とともに運ばれたと考えられ、甲殻類の人為的移住の好例となっている。
[武田正倫]
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…日本産のモクズガニによく似た甲殻綱イワガニ科のカニで,甲幅8cmに達する大型種(イラスト)。かつてはシナモクズガニと呼ばれた。…
※「モクズガニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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