モル(物質の量の単位)(読み)もる(英語表記)mol

翻訳|mol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モル(物質の量の単位)」の意味・わかりやすい解説

モル(物質の量の単位)
もる
mol

物質の量の単位の一つで、化学ではもっとも重要なもの。原子量の基準となっている炭素質量数12の同位体12Cの12グラム中に含まれる原子の数、すなわちアボガドロ定数(6.0221367×1023)だけの物質粒子(原子、分子イオン、電子など)を含む物質の集団を1モルと定義する。記号はmol,mole,Mなどを使う。水素原子H1モルの質量は1.0079グラムであり、水素分子H21モルの質量は2.0158グラムである。また塩化ナトリウムNaClはNa+とCl-から成り立つのであるから、その1モルは式量NaCl=22.98977+35.453=58.443であり、58.443グラムである。すなわち1グラム原子、1グラム分子、1グラム式量などが1モルである。またモル濃度の単位の意味に用いられることもある。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ワーキングホリデー

協定締結国の国民に対し,休暇の機会と,その間の滞在費用を補う程度の就労を認める査証(ビザ)を発給する制度。二国間の協定に基づき,国際的視野をもった青少年を育成し,両国間の相互理解と友好関係を促進するこ...

ワーキングホリデーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android