モンステラ(英語表記)Monstera; windowleaf

精選版 日本国語大辞典 「モンステラ」の意味・読み・例文・類語

モンステラ

〘名〙 (Monstera) サトイモ科のつる性常緑植物。中南米原産で、日本へは明治初年に渡来温室で栽培される観葉植物の一つ。卵形の葉には長柄がある。葉面は穴が多数あるか、または羽状に裂けており、長さ六〇~八〇センチメートル。茎は太く、節間から太く長い気根を下垂し、他の木に付着して茎を支える。夏、長さ約三〇センチメートルの仏炎苞に包まれた淡黄色の肉花穂をつける。果実食用和名蓬莱蕉(ほうらいしょう)

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デジタル大辞泉 「モンステラ」の意味・読み・例文・類語

モンステラ(〈ラテン〉Monstera)

サトイモ科モンステラ属の蔓植物つるしょくぶつ。茎は太く、節間から気根を出す。葉は厚く革質で、羽状に切れ込み、ところどころに穴がある。黄白仏炎苞ぶつえんほうをもつ花をつけ、果実は食用。中央アメリカの原産。観葉植物として温室で栽培される。鳳莱蕉ほうらいしょう

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ
もんすてら
[学] Monstera

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)のつる植物。熱帯アメリカに30種ほど自生する。代表的な種はメキシコなど中央アメリカ原産のM. deliciosa Liebm.で、和名をホウライショウ鳳莱蕉)と称する。鳳莱蕉の名はパイナップルの漢字名鳳梨とバナナの漢字名香蕉に由来すると思われるが、不明。観葉植物として温室に植えるが、熱帯では果実を食用にするため栽培する。茎は太く、節間から太く長い気根を下垂し、また、他の樹木などに付着して茎を支え、はい上る。葉は革質で円形、長さ50~80センチメートル、粗く羽裂し、ところどころに穴がある。肉穂花序は黄白色の仏炎包(ぶつえんほう)に包まれ、長さ約25センチメートル、熟すと芳香を放ち、パイナップルやバナナのような風味がある。繁殖は、茎を2~3節に切ってミズゴケに伏せる。5℃で越冬する。

[松岡清久 2022年1月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ
Monstera; windowleaf

サトイモ科モンステラ属の総称。ラテン語で「怪物」を意味する言葉に由来する。熱帯アメリカに約 30種が分布するつる性の常緑多年草。観葉植物として数種が流通する。葉は長い葉柄をもち,互生。自生地では,太い気根を伸ばしながら,樹木や岩にからみつくように生育する。黄白色の仏炎包がつく肉穂花序はミズバショウに似るが,小さな鉢仕立てではめったに咲くことはない。ホウライショウとヒメモンステラ M.adansonii(M.pertusa)が最もよく栽培される。ホウライショウは暗緑色の革質の葉をもち,側脈の間に羽状の切れ込みが入る。葉は最大で長さ約 1mに達する。ヒメモンステラはホウライショウを小型にしたような葉で,長さ 30~40cmになる。秋から春にかけては日に当て,夏は半日陰で管理する。生育適温は 15℃以上であるが,水やりを控え目にすれば,凍結しない程度で越冬する。

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百科事典マイペディア 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ

熱帯アメリカ原産のサトイモ科の一属で,約二十数種がある。つる性または半つる性の多年草。ホウライショウは中米原産。枝は太く,気根をおろして他物にはい上がり,高さ約6mにもなる。葉は暗緑色革質で,長さ約1m,幅約80cm,縁は深く切れ込み,中央部には楕円形の穴があく。仏炎包は卵形黄白色で長さ20cm内外,肉穂花序に多数の両性花をつけ,果実は熟すと食べられる。ヒメモンステラはホウライショウの変種と考えられているもので,中央部の穴が不規則。ともに斑入(ふいり)品も栽培されている。近縁のマドカズラはブラジル原産で,つるは長さ1〜2m,葉は薄く濃緑色,長楕円形で長さ20cm内外,縁は切れ込まないが葉面に大小不規則の穴があく。観葉植物として温室や室内で栽培。
→関連項目観葉植物

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世界大百科事典 第2版 「モンステラ」の意味・わかりやすい解説

モンステラ【Monstera】

サトイモ科ホウライショウ属Monsteraの常緑多年草で,観葉植物として栽培される。この属は熱帯アメリカに25種以上あり,その多くはつる性となる。日本でモンステラの名で呼ばれているものは,ホウライショウ(蓬萊蕉)M.deliciosa Liebm.(英名ceriman)(イラスト)であることが多く,デンシンラン(電信蘭)とも呼ばれる。革質で光沢のある楕円形の葉は長さ40~90cmになり,深く切れ込み,中肋近くに1~4列の楕円形の穴があく。

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