改訂新版 世界大百科事典 「ヤウテア」の意味・わかりやすい解説
ヤウテア
yautia
Xanthosoma sagittifolium (L.) Schott
いもや葉を食用とするために,熱帯で栽培されるサトイモ科の多年草。中南米の熱帯地域,西インド諸島の原産で,アメリカサトイモともいう。葉(葉身)は矢じり形の鋭三角形で,長さ70cmほど,長い柄(葉柄)が根もとから伸び立って,草丈2mほどになる。茎は伸びず地中にあって肥大していもとなり,まわりに10個ほどの子いもをつける。子いもの長さは15~25cm。サトイモに似ているので両者を区別せずにココヤムcocoyamと呼ぶこともある。現在,原産地域をはじめ,アフリカ,東南アジアや太平洋の島々で広く栽培されている。栽培は時期を選ばず,親いもの上部か子いもを植え付け,9ヵ月ほどしたら掘り採る。いもは蒸焼きにしたり煮たりして食用とし,すりおろして水にさらしてデンプンを採る。若い葉は野菜として利用される。アメリカサトイモ属Xanthosomaは中南米で数種が食用に栽培利用される。そのうちのX.violaceum Schottはヤウテア同様広く栽培されている。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報