ラリオーノフ

百科事典マイペディア 「ラリオーノフ」の意味・わかりやすい解説

ラリオーノフ

ロシア出身のフランスの画家。妻のナターリヤ・ゴンチャロワ〔1881-1962〕とともに,ロシア革命前夜の前衛芸術運動の一翼を担った。ロシアの民俗芸術を取り入れたネオ・プリミティビズムから出発し,1912年に〈ロバ尻尾〉派を結成。さらに〈レイヨニスム(光線主義)〉を主唱し,無対象絵画へと移行する。ディアギレフ率いるバレエ・リュッスの舞台美術に携わり,1915年国外に移住。ゴンチャロワとともに生涯大半をフランスで送った。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版 「ラリオーノフ」の意味・わかりやすい解説

ラリオーノフ【Mikhail Fyodorovich Larionov】

1881‐1964
ロシア出身の画家。モルドバのチラスポリ近郊生れ。1898‐1910年モスクワの絵画・彫刻・建築学校に学ぶ。最初,印象主義の洗礼を受けるが,10年ころより無数の線条が交錯する画面を試み,13年《光線主義(レイヨニスムRayonnisme,ロシア語でルチズムLuchizm)宣言》を発表。マレービチとともにロシアにおける最初期の抽象画家と目されるが,その革新的芸術はロシアの伝統的文化(イコン,民衆版画ルボーク,農民刺繡など)への強い愛着から生まれたものであった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

少子化問題

少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...

少子化問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android