世界大百科事典 第2版 「ランデル」の意味・わかりやすい解説
ランデル【Max Linder】
サイレント時代のフランスの喜劇俳優。日本ではマックス・ランデの表記で知られてきた。演劇学校を卒業し,パリで舞台に立っていたが,1905年映画界入り。10年に〈マックス〉という主人公をつくり出した。それまでの喜劇の主人公は,サーカスの道化役のように,誇張され,扮装だけで笑いをさそう,みるからに滑稽なものであったが,ランデルはまったくふつうの人間の扮装,すなわち黒の礼服,シルクハット,エナメルの靴に白い手袋をはめ,ステッキを持った,一分のすきもない紳士のスタイルで〈道化〉を演じたところにそのユニークさがあった。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報