改訂新版 世界大百科事典 「リュウキュウガモ」の意味・わかりやすい解説
リュウキュウガモ (琉球鴨)
Indian whistling duck
Dendrocygna javanica
カモ目カモ科の鳥。中国南部,インド,東南アジア,スマトラ島,ジャワ島,南西ボルネオなどに分布する。日本では沖縄本島と八重山諸島から記録があるため,この名がつけられている。しかし最近は観察されたことがまったくなく,琉球諸島における生息状況は不明である。全長約41cm。全身濃い赤褐色をしており,背には灰色に濃褐色の横縞がある。くちばしと脚は黒い。雌雄同色。脚が長いために,飛ぶときには尾よりも後方へ出る。森林の中の沼地や河川,湿地などに小さな群れをつくってすみ,水草の種子や根,水生昆虫,カエル,小魚,小型の貝類などを食べている。鳴声は口笛の音に似る。
リュウキュウガモの仲間は世界の熱帯地方と南半球に8種が分布し,他のカモ類よりもくびと脚が長く,胴が比較的短い。
執筆者:柳沢 紀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報