リング(英語表記)Ling, Pehr Henrik

精選版 日本国語大辞典 「リング」の意味・読み・例文・類語

リング

〘名〙 (ring)
① 輪。環。また、環状のもの。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五「土星の環(リング)と、その衛星を察測することを得たり」
指輪
金色夜叉(1897‐98)〈尾崎紅葉〉続「涙を掩へる指に赤く、白く指環(リング)の玉を耀したる」
③ 競技場。試合場。特に、ボクシングプロレスリングの試合を行なう、正方形マット周囲ロープを張り、高くしつらえた台。
※ブウランジェ将軍の悲劇(1935‐36)〈大仏次郎〉紅き石竹党「全仏蘭西を観客として晴れのリンクに立つ」
⑤ スキーのストックの先の方につけた雪を押えるための輪。
⑥ 避妊用具の一つ。子宮内に装着する金属またはプラスチック製の輪。

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デジタル大辞泉 「リング」の意味・読み・例文・類語

リング(ring)

輪。また、輪のような形をしたもの。「イカリングフライ」
指輪。「エンゲージリング
ボクシングやプロレスの試合場。正方形のマットの周囲にロープを張り、高くしつらえた台。
[補説]書名別項。→リング
[類語](1輪っぱ輪っか丸っこい丸まっちい丸丸丸いまろ真ん丸まろやかまどつぶ円形球形球状輪形同心円半円長円大円真円正円真ん丸いくりくりたまご形ループ丸まる丸める団団団子状/(2指輪エンゲージリング

リング[書名]

鈴木光司ホラー小説。見た者を1週間後に呪い殺すビデオテープ恐怖を描く。著者デビュー前の平成元年(1989)に横溝正史賞に応募された作品で、単行本は平成3年(1991)刊行続編に「らせん」「ループ」があり、映画化、ドラマ化作品も多数制作されている。

リング(Pehr Henrik Ling)

[1776~1839]スウェーデンの体育家。スウェーデン体操の父といわれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リング」の意味・わかりやすい解説

リング
Ling, Pehr Henrik

[生]1776.11.15. クルーヌーベリ
[没]1839.5.3. ストックホルム
スウェーデンの近代体育の先駆者。 1799年デンマークへ渡り,コペンハーゲンの大学で神学,言語学を学びながら F.ナハテガルから体操の指導を受けた。 1804年帰国後,J.グーツムーツの器具体操に人体解剖学と生理学を根底におく徒手体操を加えたスウェーデン体操を創始。これはリングの体操の体系の核心を形づくるものであり,肋木,登攀はしご,平均台などを用いたり,軽器具と呼ばれる棒,棍棒,唖鈴なども用いたものである。またその子 H.リングも,スウェーデン体操を教育体操として発展させた。主著『体操便覧』 Reglemente für Gymnastik (1836) ,『体操の一般的原理』 Allgemeine Begrundung der Gymnastik (1840) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リング」の意味・わかりやすい解説

リング
りんぐ
Pehr Henrik Ling
(1776―1839)

スウェーデン体操の創始者。大学では神学と言語学を学んだが、のちにデンマークにナハティガルを訪れ体操の指導を受けた。彼は解剖学、生理学を学び、体操に科学的根拠を与えた。体操を分類して、〔1〕教育体操、〔2〕兵式体操、〔3〕医療体操、〔4〕美的体操とした。しかし実際には教育、兵式、医療の三部門だけが指導され、教材の数もきわめて少なく、その運動様式もはなはだ簡単であった。スウェーデン体操としてもっとも特色を発揮したのは教育体操と医療体操で、本国スウェーデンだけでなく、ドイツ体操とともに近代における世界の体操を二分して君臨した。

[上迫忠夫]

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百科事典マイペディア 「リング」の意味・わかりやすい解説

リング

スウェーデン体操の創始者。詩人。体操を身体の完成をめざす運動の系列と考え,生理学と解剖学に基づいた組織的な体操を創案した。彼は,体操を軍事体操,医療体操,教育体操,芸術体操の4本の柱で構想したが,いずれも完成をみないで終わった。が,これらは〈スウェーデン体操〉として継承され,その後の世界の体操運動に大きな影響を与えた。1814年王室中央体操学校校長。著書に《体操の規則》(1836年)がある。詩人としては古代北欧を題材にした叙事詩,戯曲などを残した。

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世界大百科事典 第2版 「リング」の意味・わかりやすい解説

リング【Per Henrik Ling】

1776‐1839
スウェーデン体操の創始者,詩人。スモーランド地方リュンガの牧師の家に生まれる。母モリーンは17世紀の愛国主義者オーロフ・ルドベックOlof Rudbeck(1630‐1702)の家系につながるという。ルンド大学,ウプサラ大学などで学ぶ中でゴート主義に傾倒。病弱であった彼は,1797年フランスの医師ティソClèment Joseph Tissot(1750‐1826)の書に接し,乗馬やフェンシングが体に良いことを知る。

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367日誕生日大事典 「リング」の解説

リング

生年月日:1776年11月15日
スウェーデンの近代体育の先駆者
1839年没

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ソフトダーツ辞典 「リング」の解説

リング

シャフトに取り付け、フライトが外れにくくするためのパーツ。シャフトリングともいう。

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栄養・生化学辞典 「リング」の解説

リング

 →キングクリップ

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世界大百科事典内のリングの言及

【体操】より

…その代表的文献がグーツムーツの《青年のための体操》(1793)である。ここで体操とは,健康で明るい市民生活を営む能力を身につけるために,いろいろな運動を体系づけ,方法化することであり,走・跳・投,レスリング,運搬,水浴など,あらゆる自然的な運動が体操の内容となった。この時点ではまだ徒手体操も器械体操も考えられておらず,視覚や聴覚などの感覚訓練をも含む広義の身体運動を体操と考えていた。…

※「リング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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