ルムンバ(英語表記)Patrice Lumumba

デジタル大辞泉 「ルムンバ」の意味・読み・例文・類語

ルムンバ(Patrice Emery Lumunba)

[1925~1961]コンゴ民主共和国政治家民族主義運動の指導者となり、1960年ベルギーからの独立後初代首相となったが、その後の動乱なかで殺害された。

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精選版 日本国語大辞典 「ルムンバ」の意味・読み・例文・類語

ルムンバ

  1. ( Patrice Lumunba パトリス━ ) コンゴ民主共和国の政治家。コンゴ独立運動の指導者。一九六〇年、ベルギーからの独立とともに初代首相となったが、反対派に殺害された。(一九二五‐六一

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改訂新版 世界大百科事典 「ルムンバ」の意味・わかりやすい解説

ルムンバ
Patrice Lumumba
生没年:1925-61

アフリカのコンゴ(現,コンゴ民主共和国)の政治家。カサイ州の出身で,ミッション・スクールで教育を受けたのち,スタンリービル(現,キサンガニ)で郵便局員となり,労働運動指導者を経て民族主義運動の有力な指導者となった。57年に主都レオポルドビル(現,キンシャサ)に移り,58年にはコンゴ民族運動MNC)の創設に重要な役割を果たすとともに,現ガーナのアクラで開かれた第1回全アフリカ人民会議に出席し,エンクルマらの政治姿勢に強く刺激されていっそう先鋭化した。その結果59年末には,コンゴの即時解放を叫び暴動を誘発したとして,扇動罪で一時投獄された。60年初めの〈独立のための円卓会議〉にコンゴ代表の一員として出席し,さらに同年5月の選挙でMNCを勝利に導いて,6月の独立とともに初代首相に就任した。しかし独立直後に起こったコンゴ動乱渦中にあって,中央集権主義者の彼は地方分権主義に傾斜したカサブブ大統領と激しく対立し,9月には互いに相手の解任を宣言するにいたった。この対立状況のなかで彼は一時国連軍の保護下にあったが,レオポルドビルを脱出して本拠地スタンリービルへ向かう途中,12月にカサイ州で政府軍に逮捕され,身柄カタンガ州に送られて61年2月に殺害された。主著に《コンゴ,未来の国--汝は脅威なりや》(1961)がある。
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旺文社世界史事典 三訂版 「ルムンバ」の解説

ルムンバ
Patrice Emery Lumumba

1925〜61
コンゴ民主共和国(旧ザイール共和国)の民族運動指導者
第二次世界大戦後,政治活動を始め,1958年コンゴ民族運動(MNC)を結成した。独立の方法をめぐってアメリカを背景とするカサヴブと対立したが,1960年5月の選挙でMNCは第一党となり,ルムンバが首相,カサヴブが大統領となった。同年6月30日独立を宣言したが,5日後に軍隊内で反乱が起こって反白人暴動に発展し,9月カサヴブ・モブツらのクーデタで失脚。同年12月に捕らえられ,翌年1月殺害された。

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百科事典マイペディア 「ルムンバ」の意味・わかりやすい解説

ルムンバ

コンゴ(現コンゴ民主共和国)の政治家。民族運動を指導し,1960年ベルギーから独立すると同時に初代首相。間もなく,コンゴ動乱が勃発(ぼっぱつ),反帝・反植民地主義と国家統一を主張していたが,カサブブによるクーデタで捕らわれて殺された。
→関連項目キサンガニ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ルムンバ」の解説

ルムンバ
Patrice Lumumba

1925~61

コンゴ民主共和国独立時の首相(在任1960)。民族主義と反植民地主義を強く主張した。コンゴ動乱のなかで,敵対勢力に捕えられて殺害された。暗殺にはアメリカやベルギーが関与したとされ,世界各地で激しい抗議行動が起こった。

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世界大百科事典(旧版)内のルムンバの言及

【コンゴ民主共和国】より

…第2次世界大戦が終わると,アフリカ全域にナショナリズム運動が高まるが,ベルギー領コンゴにその波動が到達したのは50年代末期であった。その契機は,コンゴ国民運動(MNC)の指導者ルムンバが58年12月に現ガーナのアクラで開かれた全アフリカ人民会議に出席し,他地域のナショナリストたちから大きな刺激を受けて帰国したことである。ルムンバはコンゴの即時独立を目ざしてただちに大衆運動の組織化に着手し,ほかにもこれに同調する動きが生じたため,ベルギーもコンゴの独立を認める方向へ向かわざるをえなくなった。…

※「ルムンバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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