レッチュベルク・トンネル(読み)れっちゅべるくとんねる(英語表記)Lötschberg Tunnel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

レッチュベルク・トンネル
れっちゅべるくとんねる
Lötschberg Tunnel

スイス中部でアルプス山地を貫き、首都ベルンを沿岸にもつアーレ川(ライン川の支流流域とローヌ川流域のウァリス渓谷を結ぶ複線型鉄道トンネル。長さ1万4612メートル。このトンネル建設のために、スイス連邦政府の資本を取り入れたベルン・アルピネ鉄道(ベルン・レッチュベルク・シンプロン鉄道、BLSと通称)が設立され、1906年に着工、1913年に開通した。固い岩盤のために予想外の難工事となり、出水雪崩(なだれ)のために多くの犠牲者を出した。トンネル内の最急勾配(こうばい)は27‰(パーミル)に達する。最初から電気鉄道としてつくられており、スイスの鉄道最初の長大電化トンネルとなった。

 列車の高速化への対応や、貨物輸送上の制約などから、2007年12月にレッチュベルク・ベーストンネルが新たに開通した。

青木栄一・青木 亮]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android