レーダー測距(読み)レーダーそっきょ

改訂新版 世界大百科事典 「レーダー測距」の意味・わかりやすい解説

レーダー測距 (レーダーそっきょ)

レーダーを用いて距離を測定すること。測距にはあらかじめ測定距離を決めて用い,電波速度と往復時間の積から距離を求める。パルスレーダーを用いるときはパルス幅で距離分解能が決まる。パルス幅が10⁻6秒のとき長さは150mとなる。パルス幅,反射物,反射物体付近からの反射などで数十mの測定誤差を生ずる。

 遠距離の測定例には,天文分野における惑星のレーダー観測がある。惑星のレーダー観測は1960年代初頭から始まり,金星水星火星へと広がっていった。これにより,地上からの位置観測では不精確だった天文単位の大きさがより精密となった。また,厚い雲におおわれていて観測の困難な金星のレーダー地図も作られている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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