レー(その他表記)Leh

デジタル大辞泉 「レー」の意味・読み・例文・類語

レー(Leh)

インド北部、ラダック連邦直轄領の行政府所在地。ヒマラヤ山脈カラコルム山脈に挟まれた渓谷部、インダス川に注ぐ支流の扇状地に位置する。標高約3650メートル。かつてラダック王国の都が置かれ、チベットへの隊商路の中継地として栄えた。チベットのラサにあるポタラ宮がモデルとなったというレー王宮や、チベット仏教の寺院などが残る。レヘ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レー」の意味・わかりやすい解説

レー
Re

古代エジプトの太陽神。ラー Raともいう。主聖所はギリシア人がヘリオポリス (太陽の都) と呼ぶイウーン北部にあった。原初の大洋ヌーから生まれると,最初の宇宙をつくり神や人間を支配したが,年老いるとヌトの背に乗って天空にのぼり,世界を創造した。天空では毎日舟に乗って東から西へとめぐった。創造者としてのレーは多くの神々と習合し,古王国時代から王によって最も崇拝されるようになり,中王国時代以後,全国的な神となった。石で表わされた太陽光線すなわち巨大なオベリスクかたちで崇拝され,現存するものとしては第 12王朝期のセソストリス1世が建てたものがある。毒ヘビに巻かれた太陽円盤を頭上に載せた男,羊頭の男,聖蛇で飾られた円盤を頭に載せたタカの頭部をもつ男などの姿で表わされる。

レー
Leh

インド北部,ジャンム・カシミール州東部の町。ラダック地区の中心地で,同州の 1949年停戦ラインのインド側に位置する(→カシミール)。隊商終点として建設され,唯一の幹線「盟約道路」で西のスリナガル南東のデムチョク(中国の実行支配地域)と結ばれる。ラダック山脈の標高 3520mの高地に位置し,定住民のある町としては世界最高に属する。おもに交易の町であるが,果樹栽培や農業も行なわれる。町を見おろす位置にラダック王朝の宮殿やサンカール僧院がある。人口 3万870(2011)。

レー
Rae, John

[生]1797.6.1. アバディーン
[没]1872.7.14. ニュージャージー,クリフトン
スコットランド生れの古典学者,数学者,生物学者,医師,経済学者。アバディーン,エディンバラ両大学に学び,カナダに渡って,のちアメリカに移住。主著"Statement of Some New Principles of Political Economy" (1834) で A.スミスを批判して保護主義を主張。また資本利子の本質を現在財と将来財に対する評価の差に求めている点で E.ベーム=バウェルク時差説先駆としてのちに注目されるようになった。

レー
Rais(Retz), Gilles de

[生]1404.9/10. シャントセ
[没]1440.10.26. ナント
フランスの軍人。国王シャルル7世に仕え,オルレアンからコンピエーニュまでジャンヌ・ダルクの護衛にあたった (1429~30) 。若くしてティフォージュ城に引退し,豪奢放埒な生活にふけって資産を蕩尽した。魔法,錬金術,降霊術の研究に熱中し,異端および殺人の罪で処刑された。居城を捜査したところ,秘儀や実験のために誘拐して殺害した幼児の骨およそ 200体が発見された。彼の犯罪は世間を騒がせ,青ひげ伝説の素材となった。

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岩石学辞典 「レー」の解説

レー

塩の表面堆積物に対するインドの地方での名称[Twenhofel : 1950].

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世界大百科事典(旧版)内のレーの言及

【ラー】より

…古代エジプトの太陽神。レーReともいう。第2王朝より王名に出現,ヘリオポリスの古い太陽神アトゥムと習合して創造神の地位を得る。…

【カシミール美術】より

…祠堂の中庭には動植物や人物を浅浮彫した精巧な素焼粘土のタイルが敷かれていた。パーンドレーターン,ウシュクル,ギルギットなどにも寺院址があり,塔の形式やテラコッタ像の作風からガンダーラとの密接な交渉がうかがえる。またギルギットのある仏塔からは7~8世紀の多数のサンスクリット語仏典写本が発見された。…

【ラダク】より

…北からカラコルム,ラダク,ザスカル,大ヒマラヤの4山脈が北西から南東に走る山岳地帯で,その間に介在するインダス川源流部の河谷でも標高2500~4500mの高所にある。気候は冷涼乾燥で,中心都市レーLeh(標高約3500m)の年平均気温は5.5℃,年降水量は116mmにすぎない。レーを含む中部および東部地方は,気候,地形だけでなく,言語(チベット語),宗教(ラマ教)の点でもチベットと類似し,小チベットとも呼ばれる。…

【マリー・ド・フランス】より

…イギリスに住みその宮廷の保護を受けたと推定されているが,生涯についてはほとんど知られていない。最初の,最も重要な作品はブルトン人の間に伝わる口承詩に取材したといわれる短編物語詩《レー》12編(1170ころ)である。8音綴詩句118行のごく短い物語から長いものでも1184行を超えない伝奇物語集。…

※「レー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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