精選版 日本国語大辞典 「ロジウム」の意味・読み・例文・類語
ロジウム
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Rh.原子番号45の元素.電子配置[Kr]4d85s1の周期表9族貴金属または白金族元素.原子量102.90550(2).安定核種が質量数103の同位体のみの単核種元素.質量数89~122の放射性同位体が知られている.1804年,イギリスのW.H. Wollastonが粗白金試料中に発見,塩化物RhCl3の赤色から,ギリシア語の“バラ色”ροδον(rodon)をとって命名.宇田川榕菴は天保8年(1837年)出版の「舎密開宗」巻十五で,新金属として羅冑母(ロヂウム)と記載している.
地殻中の存在度の低い白金族中でもきわめて存在度が低く ppb 以下とされる.世界の知られている埋蔵量の約90% を南アフリカが占め,ついでロシア,カナダの順である.単体は立方最密構造の銀白色の金属.白金族精鉱から溶媒抽出法で相互分離し,(NH4)3RhCl6としてとりだし,水素還元して金属を得る.融点1966 ℃,沸点3695 ℃.密度12.41 g cm-3.第一イオン化エネルギー7.46 eV.酸化数1~4,通常3.化学的にきわめて安定で,二元化合物の数は少ないが錯体は多数存在する.酸化して600 ℃ 以上で酸素と反応してRh2O3となるが,1200 ℃ 以上で分解してRhに戻る.塩素とも300 ℃ で反応してRhⅢ Cl3となるが,318 ℃ で逆反応を起こしてRhとなる.塊は王水にも不溶.熱硫酸に可溶.
自動車排気ガス浄化用3元触媒のNOx還元用成分として不可欠で,わが国の需要の80% を占める.ついで液晶ディスプレイ用高級ガラス製造用るつぼ材のPt-Rh合金原料として10%,ほか化学工業用触媒に用いられる.2005年には,わが国は全輸入量9.5 t 中,6.5 t を南アフリカ,0.8 t をアメリカ,0.7 t をロシアから輸入した.[CAS 7440-16-6][別用語参照]ロジウム触媒
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
周期表第9族に属し、白金族元素の一つ。1804年、イギリスのウォラストンは白金鉱の中から新しい金属元素を単離したが、その塩類の多くがバラ色をしていることから、ギリシア語のバラ色rodeosにちなんでロジウムと命名した。白金鉱およびイリドスミン中に含まれ、ときには金と自然合金をつくって産出する。
ニッケル、銅の電解精錬の際に得られる陽極泥や白金鉱を王水処理してほかの金属を除き、塩化ロジウムとすると、ロジウムはスルファト錯体として溶液中に抽出される。これをヘキサクロロロジウム(Ⅲ)酸アンモニウム(NH4)3[RhCl6]に変え、精製したのち、水素中で熱還元すれば海綿状のロジウムが得られる。
銀白色の軟らかい金属で延性がある。その化合物を適当な還元剤で処理して得られたものは黒色の粉末で、ロジウム黒(こく)といわれる。化学的性質は周期表直下のイリジウムに似ており、酸に対してはきわめて抵抗力が大きく、酸素に対しては比較的弱い。すなわち塊状のものはどんな酸にも溶けず、王水にも侵されない。しかし酸化力の強い熱濃硫酸や塩素酸ナトリウムを含む熱濃塩酸(封管中125~150℃)には溶ける。粉末状のものはより活性である。空気中、常温では酸化されないが、強熱するとしだいに酸化されて酸化ロジウム(Ⅲ)Rh2O3を生じ、これはさらに強熱すると分解して酸素を放出する。白金の硬化元素として使われるが、白金‐ロジウム合金は耐食性、耐熱性に優れている。そのほか各種触媒、熱電対などの用途がある。
[鳥居泰男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…ケンブリッジ大学で医学を学び,しばらく開業していたが,1800年に本来興味をもっていた化学の研究に転じた。02年にパラジウムを,2年後にロジウムを発見した。また,可鍛性のある白金を得る精製法を確立し,光学機器の十字線などに用いられるごく細い白金線(ウォラストン線)を作った。…
※「ロジウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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