ロマンス(文芸用語)(読み)ろまんす(英語表記)romance

翻訳|romance

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロマンス(文芸用語)」の意味・わかりやすい解説

ロマンス(文芸用語)
ろまんす
romance

文芸用語。中世ヨーロッパにおいて、公式用語であるラテン語ではなく、俗ラテン語であるロマンス語によって書かれた英雄伝騎士物語のこと。アーサー王やシャルル大帝カール大帝)にまつわる騎士の恋愛や武勇題材とし、理想化、空想化、夢幻化していった。中世以後は、セルバンテスの『ドン・キホーテ』のように非現実的な要素をもち、筋(すじ)のおもしろさに力点を置いた、伝奇性の強い小説のことを意味するようになった。

[船戸英夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android