精選版 日本国語大辞典 「ワイマール憲法」の意味・読み・例文・類語
ワイマール‐けんぽう ‥ケンパフ【ワイマール憲法】
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1919年に公布されたドイツ共和国憲法。第一次世界大戦後のドイツ革命によってドイツ帝政が崩壊したのち、普通・平等・比例選挙によって選ばれた国民議会が1919年7月31日に議決し、翌8月1日に公布された。このときの国民議会がワイマールで開かれたのでこの名がある。ワイマール憲法はビスマルク憲法と異なり、民主主義の原理のうえにたったドイツ国民の強い統一を指導理念とし、さらに社会国家的色彩をもつ憲法で、その後の世界の民主主義諸国に強い影響を与えた。
[池田政章]
国民主権主義に立脚し、普通・平等・直接・秘密・比例代表の原理に基づいた選挙による議院内閣制を採用しながら、同時に若干の直接民主制を認め、他方、19世紀的な自由主義に基づきながら、20世紀的社会国家の立場をとっている。所有権の義務性を認め、人間に値する生存(生存権)を保障しており、それらの点で20世紀民主主義憲法の典型とされる。この優れたワイマール憲法も1933年のヒトラー政権による「授権法」をはじめとする一連の立法によって形骸(けいがい)化され、事実上廃止された。
[池田政章]
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…そこに資本主義体制の家族政策が担う独自性の根拠も存在するのである。
[憲法上の根拠]
(1)ドイツ 1919年のワイマール憲法は,世界最初の具体的な家族政策を規定した憲法である。同憲法は,〈婚姻は,家族生活および民族の保持増殖の基礎〉(119条)として保護を受けることを謳い,具体的にも〈家族の社会的助長〉のために,〈住居や多子家族の需要を満たす家産の保護〉(155条)などの家族政策を例示している。…
…市民社会がその内部矛盾を自律的調整機能によって解決することができなくなれば,国民の生存に対する配慮のため,国家権力の経済過程への介入が要請されるようになる。19世紀末より,市民法の体系の枠からはみだす労働立法や経済立法の形式を伴った社会国家への転回のきざしがみられたが,第1次世界大戦後のワイマール憲法は,人間に価する生存の保障を目的とした正義の原則に適合するような経済生活の秩序を目指し,生存権,労働権,労働者の団結権などの社会権を保障するとともに,それまで不可侵とされてきた経済活動の自由と財産権を制限つきで保障した。 なお,以上の人権史の多くの期間,女性は参政権等をはじめとする基本的人権の享有主体とされていなかったことは注意を要する。…
… このような社会事業は,やがて国民一般を対象とする生存権保障制度の一環としての社会福祉へ脱皮することになるが,その過程において重要な契機を与えたのは第1次大戦とロシア革命,1929年に始まる大恐慌,そして第2次世界大戦であった。第1次世界大戦とロシア革命は国民の生存権に関する規定をもつ世界最初の憲法であるワイマール憲法をはじめとして労働者の政治的経済的同権化を推進する諸施策を成立させる契機となり,大恐慌はこれまた世界で最初に社会保障という名称を冠した社会保障法Social Security Act(アメリカ)の制定(1935)をもたらした。第2次世界大戦は,イギリスにおける福祉国家政策の青写真となったベバリッジ委員会報告(ベバリッジ報告)を生み出す契機となった。…
…フランスにおいて,1791年憲法は,〈捨子を養育し,病弱な貧者を助け,壮健にして仕事をもたない貧者に労働を与えるために,公的救済の一般的施設が設立され,組織される〉と規定しており,1793年憲法は,〈公的救済は,神聖な負債である〉と規定して,生活困窮者の生活を配慮する国家の義務を認めていた。二月革命後の1848年憲法はより具体的に国家の義務を規定していたが,現代的な生存権が憲法上はじめて登場したのは,1919年のドイツのワイマール憲法においてである。ワイマール憲法の,〈経済生活の秩序は,すべての者に人間たるに値する生活を保障する目的をもつ正義の原則に適合しなければならない〉(151条1項)という規定およびこの規定の下での生存権に関する論議が,日本にも大きな影響を与えた。…
…憲法が定める国民の基本的人権のうち財産権および思想・信条の自由,言論・表現の自由,結社の自由などのいわゆる自由権的基本権に対して,労働基本権に生存権を加えたものを生存権的基本権と呼ぶことがある。労働基本権は資本制経済の下で市民法体系が定めるこれらの自由,なかんずく所有権の絶対不可侵や契約の自由がまったく意味をもたない無産大衆の出現に伴い,これら労働力を売ること以外に生活手段を持たない人々の生存を確保するために認められるに至ったものであり,20世紀初頭にワイマール憲法が〈すべてのドイツ人民は経済的労働によりその生計を立てうる機会を与えられるであろう。適当な労働の機会が与えられない者にはその生計に必要な配慮がなされる〉(163条2項)と宣言し,さらに〈労働条件および経済条件の維持ないし改善のための結社の自由は何人に対しても,またいかなる職業に対しても,これを保障する。…
※「ワイマール憲法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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