いち‐じょう ‥ヂャウ【一定】
[1] 〘名〙 (形動)
物事が、確かに
一つに定まること。確定すること。確実。また、はっきりした事実。
※蜂須賀侯爵所蔵文書‐貞観一〇年(868)二月二三日・筑前国牒案「彼此雑年難二一定一。因レ茲不レ可二弁行一」
※
古今著聞集(1254)一七「或ひは
夢想とも人申しけり。一定をしらず」
※
随筆・折たく柴の記(1716頃)中「船なる物ども盗みし事は一定
(イチヂャウ)なれど」
[2] 〘副〙 確実であるさまを表わす語。確かに。必ず。きっと。
※小右記‐万寿四年(1027)七月四日「頗有
二和気
一。一定可
レ存
二禅室御心
一
」
※仮名草子・身の鏡(1659)下「国々に
内通の
与力の大名多ければ、一定
(デウ)天下取給はん」
[語誌]古くは「文明本節用集」「
日葡辞書」などに示すように、「定」を呉音読みしてイチヂャウと読んだが、明治以降漢音読みのイッテイが行なわれるようになった。
いっ‐てい【一定】
〘名〙
① (━する) 一つに定まって動かないこと。
変動がないこと。
※
童子問(1707)下「枯草陳根、金石陶瓦之器、謂
二之死物
一。以
三其一定無
二増減
一也」
※
政談(1727頃)二「
直垂は地も一定し、色も一定し」 〔
淮南子‐主術訓〕
② (多く「一定の」の形で) ある
規準や
範囲が決められていること。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
③ 十分とは言えないが、ある範囲は満たされていること。「一定の
成果を挙げる」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「一定」の意味・読み・例文・類語
いち‐じょう〔‐ヂヤウ〕【一定】
[名]確かにそれと決まっていること。
「往生は―と思へば―、不定と思へば不定なり」〈徒然・三九〉
[副]まちがいなく。必ず。きっと。
「かほどの大男のことなれば、―武勇も人に超えつろう」〈芥川・きりしとほろ上人伝〉
いっ‐てい【一定】
[名](スル)
1 一つに定まって変わらないこと。「一定の分量」「一定の収入」
2 順序や方法などが決まっていること。「一定の書式」「一定の方針」
3 ある傾向・状態に落ち着くこと。「一定した人気を保つ」「リスクは一定程度低下した」
[類語]固定
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一定 いちじょう
884-947 平安時代中期の僧。
元慶(がんぎょう)8年生まれ。聖宝(しょうぼう)に真言と三論を学ぶ。東大寺東南院主をへて,天慶(てんぎょう)5年醍醐(だいご)寺の座主(ざす)。8年泰舜(たいしゅん)の代役として太元帥法(たいげんのほう)をつとめ,僧綱の位にない者がおこなう初例となる。権(ごんの)律師,東寺二長者。天慶10年2月9日死去。64歳。名は壱定ともかく。
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