一念(読み)イチネン

デジタル大辞泉 「一念」の意味・読み・例文・類語

いち‐ねん【一念】

1 ひたすら心に深く思いこむこと。また、その心。「親の一念が通じる」
2 ふと思うこと。
「―なりとも悔ゆる心を発おこすべきなり」〈発心集・五〉
3 仏語。
㋐非常に短い時間。瞬間。
「ただ今の―、空しく過ぐる事を」〈徒然・一〇八〉
㋑一度の念仏。仏の救済を信じて唱えた一声の念仏。
「臨終の―は百年の業に勝る」〈往生要集・中〉
[類語]ひたすら・いちず・ひたむき・一筋・ただ・ただただ・専一・ひとえに・一心・一路・一散・一目散・一直線・一本槍・一点張り・一辺倒・一意専心・営営・せっせ・遮二無二・無二無三・がむしゃら・一心不乱・脇目も振らず・まっしぐら・しゃかりき・しゃにむに・無心・粉骨砕身・無我夢中・熱中・夢中・直線的・専心・専念・没入・没頭・没我・傾注・傾倒・猪突猛進・ストレート・我を忘れる・根こんを詰める・身を入れる・身を砕く・心血を注ぐ

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精選版 日本国語大辞典 「一念」の意味・読み・例文・類語

いち‐ねん【一念】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ひたすらに思いこんでいること。また、その心。一心。執心。執念。
    1. [初出の実例]「一ねむのうらめしきも、もしは哀れとも思ふにまつはれてこそは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)横笛)
    2. 「一念(ネン)かけし、彌兵次をうたでは置まじ」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三)
    3. [その他の文献]〔陳鴻‐長恨歌伝〕
  3. ② ふと思うこと。ある一つの考え。
    1. [初出の実例]「金を奪ひ取りて千両に成して持たんと思ふ一念起りつ」(出典:康頼宝物集(1179頃)上)
  4. ③ きわめて短い時間。一刹那または六十刹那など。
    1. [初出の実例]「一念うらやみたる事そら既に如此し」(出典:今昔物語集(1120頃か)二)
    2. [その他の文献]〔仁王護国経‐上〕
  5. ④ 仏語。ひとたび仏を念ずること。一度念仏を唱えること。⇔多念。
    1. [初出の実例]「一念といふとも必らず感応す これを巨海の涓露(けんろ)を納るるに喩ふ〈具平親王〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
    2. [その他の文献]〔無量寿経釈〕
  6. ⑤ 仏語。仏の救いを信ずることができたその瞬間、または信じて二心のないこと。主として浄土真宗でいう。
    1. [初出の実例]「言二一念一者、信心无二二心一故曰二一念一」(出典:教行信証(1224)三)
  7. ⑥ 仏語。仏の智慧(ちえ)のこと。
    1. [初出の実例]「言二一念一者、仏智一念。正指二仏心一為二念心一」(出典:浄土法門源流章(1311)大日本国浄教弘通次第)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一念」の意味・わかりやすい解説

一念
いちねん

仏教用語。非常に短い時間の単位。現在この一瞬の心,一心に仏陀を念じたり,仏陀の名前を称えたり,仏陀を瞑想したりすることにも用いられる。

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普及版 字通 「一念」の読み・字形・画数・意味

【一念】いちねん

ひた思い。

字通「一」の項目を見る。

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