一花(読み)イッカ

デジタル大辞泉 「一花」の意味・読み・例文・類語

いっ‐か〔‐クワ〕【一花】

一つの花。一輪
ほんのわずかの間。いっとき。一過
「―浮気沙汰にして」〈浮・禁短気・三〉

ひと‐はな【一花】

一輪の花。
一時的に華やかに活動すること。一時の栄え

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精選版 日本国語大辞典 「一花」の意味・読み・例文・類語

いっ‐か‥クヮ【一花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つの花。花一輪。一花(いっけ)。〔書言字考節用集(1717)〕
    1. [初出の実例]「一花廿日をのぶるにはあらず」(出典:随筆・胆大小心録(1808)八二)
    2. [その他の文献]〔劉長卿‐戯贈于越尼子詩〕
  3. ( 一つの花が咲いている期間が短いところからか。副詞的にも用いられる ) ほんのわずかの間。いっとき。また、ほんの一時的なこと。一過(いっか)
    1. [初出の実例]「一花(イックヮ)はさわぐやうなれども、またじみじみとめいりて」(出典浮世草子傾城色三味線(1701)大坂)
  4. 銭五文のこと。〔通俗編‐数目・一花〕

ひと‐はな【一花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つの花。一輪の花。
    1. [初出の実例]「一切経を、蓮の花の赤きひと花づつに入れて」(出典:枕草子(10C終)二七八)
  3. 一時の栄え。ただ一時の栄華。一時的に盛んなこと。
    1. [初出の実例]「春秋もただひとはなぞ山さとは峰のあらしぞ絶ずおとする」(出典:康資王母集(1106頃か))

いっ‐け【一花】

  1. 〘 名詞 〙 一つの花。一輪の花。いっか
    1. [初出の実例]「一花(ケ)の供養する人も 順次往生疑はず」(出典:太子和讚(鎌倉))

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