七里（読み）シチリ

デジタル大辞泉

しち‐り【七里】

１ 1里の7倍。また、その程度の距離。
２ 「七里飛脚しちりびきゃく」の略。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しち‐り【七里】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
   1. ① 一里の七倍。また、長い道のり、広い地域を表わす。〔延喜式（927）〕
      1. [初出の実例]「いぬいのかたへほそ道あり。七里(リ)ばかり行て、大木一本あるべし」(出典：御伽草子・梵天国（室町末）)
      2. 「空霽たれば、ますほの小貝ひろはんと、種の浜に舟を走す。海上七里あり」(出典：俳諧・奥の細道（1693‐94頃）種の浜)
   2. ② 「しちりぼっけ（七里法華）」の略。
      1. [初出の実例]「丈のない国に七里と九十九里」(出典：雑俳・柳多留‐三三（1806）)
   3. ③ 「しちりびきゃく（七里飛脚）」の略。
      1. [初出の実例]「所之者出て棒すくめにしけるが、尾州の七里の者と知れ、皆退散す」(出典：鸚鵡籠中記‐貞享三年（1686）七月初)
2. [ 2 ]
   1. [ 一 ] 「しちりがはま（七里ケ浜）」の略。
      1. [初出の実例]「七里では牛八里では馬で越し」(出典：雑俳・柳多留‐一〇二（1828）)
   2. [ 二 ] 七里の渡しのあたりの海をいう。
      1. [初出の実例]「千石や尾張の秋におしからん 七里のあひだかくる舩はし」(出典：俳諧・独吟一日千句（1675）第四)

なな‐さと【七里】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 多くの村里。
   1. [初出の実例]「其の音(こゑ)七里(ナナサト)に響みき」(出典：古事記（712）下（兼永本訓）)
3. ② 子どものわんぱくざかりをいう。いたずらざかりの子ども。
   1. [初出の実例]「ついてきて・はや七里がいっそいそ」(出典：雑俳・軽口頓作（1709）)

出典　精選版 日本国語大辞典