上川(読み)カミカワ

デジタル大辞泉 「上川」の意味・読み・例文・類語

かみかわ〔かみかは〕【上川】

北海道中央部の総合振興局。局所在地は旭川市
北海道中央部、上川郡の地名。石狩川上流、大雪山北麓に位置し、南部に層雲峡がある。

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精選版 日本国語大辞典 「上川」の意味・読み・例文・類語

かみかわかみかは【上川】

  1. [ 一 ] 北海道中央部の支庁。明治三〇年(一八九七)石狩川上流域を範囲に設置。同三二年、天塩(てしお)川上流域の上川郡、空知川上流域の空知郡を、同三四年、天塩川中流域の中川郡を、同三九年勇払郡の一部を編入した。支庁所在地は旭川。
  2. [ 二 ] 北海道中央部、上川支庁中部の郡。石狩川上流域、上川盆地と大雪山群からなる。明治二年(一八六九石狩国の一郡として成立。同三〇年上川支庁の所属となる。
  3. [ 三 ] 北海道中央部、上川支庁北部の郡。天塩川の上流域にある。明治二年(一八六九)天塩国の一郡として成立。同三〇年増毛(ましけ)支庁に編入され、同三二年に上川支庁の所属となる。
  4. [ 四 ] 北海道中南部、十勝支庁の郡。十勝川の上流域にある。明治二年(一八六九)十勝国の一郡として成立。

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日本歴史地名大系 「上川」の解説

上川
すりかみがわ

阿武隈川の支流で、延長三八キロ、流域面積三一六平方キロ。一級河川。福島市瀬上せのうえ町の北部で阿武隈川に注ぎ、ほぼ近世の信夫しのぶ郡と伊達郡の郡境をなした。源流は摺上山(九九七・一メートル)とされ、背後のりゆうヶ岳(九九四・二メートル)豪士ごうし(一〇二二・四メートル)栗子くりこ(一二一六・六メートル)などが福島・山形・宮城三県の県境をなし、分水嶺ともなっている。上流部の支流として栗子山を源流とするからす川、七ッ森ななつもりを源流とする中津なかつ川、北からは五郎ごろう山から流れ出る観音堂かのうどう沢などがあり、いずれも谷は深い。


上川
かみがわ

八ヶ岳・蓼科たてしな山南西部から流出するしぶ川・滝湯たきのゆ川・音無おとなし川等が、きりヶ峰南部から流出する支流群とともに茅野ちの市北西部の火山性高原地帯に渓谷をつくり、浸食しながら合流して上川とよばれる。さき(現茅野市本町)北部でやな川を合わせ、その付近から流れが緩やかになるとともに堆積が行われ、塚原つかはら扇状地を形成する。そこから西北流して、みや川の一部を合わせ、諏訪盆地南部の平坦地に沖積地帯を形成しながら諏訪市に入り、六斗ろくと川など三筋の分流をつくって諏訪湖に注ぐ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「上川」の意味・わかりやすい解説

上川(支庁)
かみかわ

北海道中央部の名寄(なよろ)、上川、富良野(ふらの)の各盆地一帯を占める町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって上川総合振興局に改称・改組された。旧上川支庁の所管区域は鷹栖(たかす)、東神楽(ひがしかぐら)、当麻(とうま)、比布(ぴっぷ)、愛別(あいべつ)、上川、東川、美瑛(びえい)、上富良野中富良野南富良野、和寒(わっさむ)、剣淵(けんぶち)、下川(しもかわ)、美深(びふか)、中川の16町と、占冠(しむかっぷ)、音威子府(おといねっぷ)の2村。支庁所在地は旭川市(あさひかわし)。原則として市域は所管外であるが、旭川、士別(しべつ)、名寄、富良野の4市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も市域を含めて管内とされることが多かった。

 1897年(明治30)石狩国(いしかりのくに)上川郡を所管する支庁として設置され、その後、石狩国空知(そらち)郡東部、天塩国(てしおのくに)の上川郡と中川郡、胆振国(いぶりのくに)勇払(ゆうふつ)郡占冠村を加えた。東は北見山地、大雪十勝(たいせつとかち)火山群、日高(ひだか)山脈が、西は天塩山地、夕張(ゆうばり)山地が連なる南北に細長い地域で、この間に名寄盆地、上川盆地、富良野盆地などの中央盆地列の諸盆地がある。山地が70%以上を占め、木材木製品工業の盛んな町村も多いが、低地は稲作地帯で、北部を除くと水稲を主作物とする町村が多い。北部の大雪山付近には層雲峡やスキー場、旭岳温泉、天人峡温泉などがあり、南部の十勝岳山麓(さんろく)には白金温泉、十勝岳温泉があり、一帯は大雪山国立公園域。富良野盆地ではラベンダー農園などが観光客でにぎわう。

岡本次郎



上川(町)
かみかわ

北海道中央部、上川総合振興局管内の町。1952年(昭和27)町制施行。JR石北(せきほく)本線、国道39号(大雪(たいせつ)国道)、273号が通じる。大雪山、石狩(いしかり)山地、北見山地の山岳地帯に位置し、原生林が広がる。南部の広い部分が大雪山国立公園域で、石狩川上流の層雲峡、大函(おおばこ)・小函などの景勝地や、層雲峡、愛山渓、大雪高原の各温泉、多目的の大雪ダムなどがある。製材と木材加工が行われ、河谷は高冷稲作地で、肉牛・乳牛飼養も伸びている。ほかにジャガイモグリーンアスパラガス、メロンの栽培や、ニジマスなどの淡水魚養殖が行われる。面積1049.47平方キロメートル、人口3500(2020)。

[岡本次郎]



上川
かみかわ

新潟県北東部、東蒲原郡(ひがしかんばらぐん)にあった旧村名(上川村(むら))。旧上川村は常浪(とこなみ)川上流地方の通称であった上川郷を村名とする。2005年(平成17)東蒲原郡津川(つがわ)町、鹿瀬(かのせ)町、三川(みかわ)村と合併して阿賀(あが)町となり、阿賀町の南部を占める。御神楽(みかぐら)岳、高陽山など1000メートル級の山に囲まれた豪雪地帯。各集落は、新潟・福島県境山地のY字形小支谷に分散する山村で、近世は小出紙の産地として知られた。上流の室谷・小瀬ヶ沢洞窟(どうくつ)は県下のもっとも古い縄文遺跡で国指定史跡。また極楽(ごくらく)寺の野中ザクラは国指定天然記念物。

[山崎久雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「上川」の意味・わかりやすい解説

上川[町] (かみかわ)

北海道中央部,上川支庁上川郡の町。人口4532(2010)。石狩川の最上流部にあたり,大雪山火山群と石狩山地,北見山地の山岳地帯で,層雲峡をはじめとする景勝地が多く,広大な原生林が広がり,大雪山国立公園の指定地域が広い。1937年石北本線が全通してから開発が進んだ。森林が町域の9割以上を占め,大部分が国有林で,製材と木材加工の行われる林業の町である。石狩川と支流の留辺志部(るべしべ)川流域は高冷稲作地であるが,大規模草地も造成されて農業は肉牛・乳牛飼養が中心となってきた。層雲峡温泉は道内有数の温泉郷で,ほかに愛山渓温泉,高原温泉がある。ニジマスなどの養殖が行われ,愛山渓では地熱開発の調査が実施されている。
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上川(新潟) (かみかわ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上川」の意味・わかりやすい解説

上川
かみかわ

新潟県東部,越後山脈の北部にある阿賀町南部の旧村域。 1886年福島県より新潟県に編入。 1954年西川村,東川村,上条村の3村が合体し上川村が成立。 2005年津川町,鹿瀬町,三川村と合体して阿賀町となった。阿賀野川の支流常浪川などが丘陵性の山地を浸食し,谷に小集落が成立している。室谷洞窟,小瀬ヶ沢洞窟 (ともに国指定史跡) などの縄文遺跡がある。極楽寺の野中ザクラは国の天然記念物。

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百科事典マイペディア 「上川」の意味・わかりやすい解説

上川[町]【かみかわ】

北海道中央部,上川郡の町。石狩川上流の山地を占め,南部は大雪山国立公園に属し,大雪山層雲峡,愛山渓温泉がある。石北本線,旭川と北見を結ぶ大雪国道が通じる。米作,酪農のほか淡水漁の養殖,林業も行われる。1049.47km2。4532人(2010)。

上川[支庁]【かみかわ】

北海道中央部の支庁。石狩国の東部,天塩(てしお)国の東部,胆振(いぶり)国の北東部を占め,上川,中川,空知,勇払(ゆうふつ)の4郡がある。北見,石狩,天塩,夕張の4山地の間に名寄,上川,富良野などの盆地列がある。支庁所在地は旭川市。支庁制度改革に伴い2010年4月,上川総合振興局となる。
→関連項目北海道

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