上月村(読み)こうづきむら

日本歴史地名大系 「上月村」の解説

上月村
こうづきむら

[現在地名]上月町上月

現上月町の中央部、千種ちくさ川支流の佐用川右岸に位置し、西から同川に流入する大日山おおびやま川両岸の河谷平野と段丘に立地する。上上月・中上月・下上月の三集落からなる。中世は佐用さよ庄のうち。応永二六年(一四一九)一一月日の上月吉景譲状并置文(上月文書)に「さよの西庄ミやうしのち」とみえる。上月氏にとっての名字の地とは上月をさす。吉景は上月のうち時安の峠ときやすのとうげ名を息の孫五郎景氏へ、その他は惣領の勘解由左衛門景久へ譲与した。正長二年(一四二九)八月一三日付の上月吉景置文(同文書)によれば、景氏へ譲られたのは「佐用西庄内時安公文とうけ国貞名」で、もと小河左近将監氏長の所領であったが、氏長の娘が吉景の妻となった縁により、氏長の孫の景氏へ相伝され、上月氏固有の所領であった他の名字の地(上月)は惣領景久(吉景長男)へ伝領された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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