精選版 日本国語大辞典 「上訴」の意味・読み・例文・類語
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裁判の確定前に、その裁判に不服が生じた場合、上級裁判所に対して行う裁判の取消しまたは変更を求める申立てのこと。
[内田一郎]
未確定の裁判に関する上級裁判所の救済的裁判の請求をいい、具体的には控訴、上告、抗告をいう。上訴権者、上訴期間は法定されている。上訴をするには上訴の利益がなければならない。さらに、現行法は、上訴は、法定の理由のある場合に限ってこれを認めている。控訴申立て理由としては、絶対的控訴理由としての訴訟手続の法令違反、相対的控訴理由としての訴訟手続の法令違反のほか、法令の適用の誤り、量刑不当、事実の誤認、判決後の事情の変更などがあり、上告申立ての理由としては、憲法違反または憲法解釈の誤り、最高裁判所の判例と相反する判断をしたことなどがある。抗告は、とくに即時抗告をすることができる旨の規定がある場合のほか、裁判所のした決定に対してこれをすることができる。ただし、刑事訴訟法に特別の定めのある場合(420条1項、427条、428条1項)はこの限りでない。適法の上訴があれば、同一訴訟は引き続き上級裁判所に係属し(移審の効力)、控訴、上告および即時抗告は、裁判の確定力を停止すると同時にその執行力をも停止させる。即時抗告以外の抗告は、決定をもって執行を停止しない限り、執行停止の効力を生じない。上訴の放棄・取下権者も法定されている。死刑または無期の懲役もしくは禁錮に処する判決に対する上訴は、これを放棄することができない。上訴の放棄または取下げをした者は再上訴することができない。
[内田一郎]
民事訴訟の上訴とは、自己に不利益な未確定の裁判について、有利に取消しまたは変更を求めるため、原則として当該訴訟の当事者から上級裁判所に提起する不服申立ての方法をいう。上訴の提起があると、その事件を上級審に係属させる「移審の効力」と、不服を申し立てた裁判の確定を遮断し、かつ執行力の発生を止める「停止の効力」とを生ずる。そして原審の訴訟手続の続行として、裁判の当否を判断するために上級裁判所において審理裁判が行われる。
上訴は、以上のような性格から次のような諸手続とは区別される。すなわち、再審の訴え(民事訴訟法338条)は判決の取消しまたは変更を求めるための不服申立てである点で上訴と共通点を有するが、その対象が確定判決であるので上訴ではない。同様に、決定・命令に対する再審の申立て(同法349条)も上訴ではない。除権決定に対するその取消しの申立て(非訟事件手続法108条)や仲裁判断取消しの申立て(仲裁法44条)は、申立て事件とは別個に、裁判だけの取消しを求める不服申立てであるから、上級裁判所が原裁判の当否について判断する上訴とは異なる。また、裁判に対する不服申立てが、その裁判をした原裁判所でなされる場合には、その不服申立て(異議)は上訴ではない(たとえば民事訴訟法357条、367条2項、386条2項、390条、393条など)。
上訴には、控訴、上告、抗告の3種がある。裁判機関に上級審、下級審の区別を設けて、下級裁判所の裁判に対して上訴を許すのは、反覆して審理を行うことによって、当事者の権利保護が適正に行われることを保証し、また当事者に審理の充足による満足感を与えるためである。ことに上告制度(民事訴訟法311条以下)、再抗告制度(同法330条)においては、法規の解釈適用を統一することにも目的がある。
[内田武吉・加藤哲夫 2016年5月19日]
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(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)
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