上頭(読み)ウエトウ

デジタル大辞泉 「上頭」の意味・読み・例文・類語

うえ‐とう〔うへ‐〕【上頭】

その土地に住まないで、京都にいる荘園領主地頭に対していう。
「いつも―へ御年貢をささぐる」〈虎明狂・三人夫

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精選版 日本国語大辞典 「上頭」の意味・読み・例文・類語

じょう‐とうジャウ‥【上頭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 先頭。先の方。また、上の方。
    1. [初出の実例]「目参議、参議下地更着上頭候」(出典:玉葉和歌集‐承安二年(1172)二月一八日)
    2. 「円柱の上頭屋角の彫刻抔に至る迄」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉前)
    3. [その他の文献]〔古詩‐陌上桑〕
  3. 以上。これまで。また、その当時。
    1. [初出の実例]「昔聞南狩地、今問上頭花」(出典:鉅野先生詩集(1814)芳野看花)
    2. [その他の文献]〔元史‐泰定帝紀・一〕
  4. 女子が成年に達したときの儀式をいう風俗上の名。男子の加冠(かかん)元服(げんぶく)に当たる。女子が婚期にはいったことのしるしに笄(かんざし)頭髪にさすところからいう。
    1. [初出の実例]「今世女子之笄曰上頭」(出典:鴨東四時雑詞(1816))
    2. [その他の文献]〔古楽府‐清商曲辞・歓好曲〕
  5. ( から転じて ) 娼妓をいう。
    1. [初出の実例]「那の位の上頭(〈注〉ヲイラン)、厳(〈注〉つんとすること)曷ぞ此の若なる」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)四)
  6. 花柳界で、水揚げすることをいう。〔モダン新用語辞典(1931)〕

うえ‐とううへ‥【上頭】

  1. 〘 名詞 〙 荘園の領主で、その土地に住まないで京都にいる者。また、その館。⇔地頭
    1. [初出の実例]「いつもうへとうへみねんぐうをささぐる」(出典:虎明本狂言・三人夫(室町末‐近世初))

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普及版 字通 「上頭」の読み・字形・画数・意味

【上頭】じようとう

上の方、先頭。

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